Doプロジェクト(Japan Health Care Dental Outcome Project)

一連の調査研究をJapan Health Care Dental Outcome Projectと名付け、通称Doプロジェクトとして継続し発展させていきます。調査報告(当会会誌掲載論文)をPDFでご覧頂けます。


※プロジェクトに参加希望の会員医院はこちらの調査の案内と操作の手引きごご参照下さい。

詳細・ダウンロードは→


Doプロジェクト
Doプロジェクトの情報フィードバック

  • 私たちの診療室にどのような患者さんが来ているか
    ⇒ 調査1 ほぼ歯科疾患実態調査と同じ傾向を確認
  • 私たちの診療がどのような結果を出しているか
    ⇒ 調査2(若年者のう蝕)と調査3(成人の歯周病)
  • 患者さんのQOLの向上に結びついているか、また他の保健医療との比較で、歯科のメインテナンスケアはどのくらい有益か
    ⇒ 調査4でこれから結果が明らかになる


下図のレセプトサイクルはお金の流れです。今まで私たちにはこのサイクルしかありませんでした。レセプトのオンライン請求を待つまでもなく、日本の医療制度は基本的に「どのようにお金を使ったか」によって評価を受けるサイクルすなわち医療制度問題=保険制度問題(つまり医療費問題)に終始してきました。道路行政を、道路の利用度ではなく道路建設事業費で評価してきたのと同じで、アウトカム評価がありません。

高齢化が急テンポで進んで、医療費抑制に躍起になっているいま、私たちは医療を受ける人たちの評価を重視する必要があります、多くの患者さんが求めている「健康を守り育てる」歯科医療を医療制度のなかにきちんと位置づけるには、まず健康アウトカムの評価が欠かせません。たとえ自費で行う場合でも、どのくらいの効果があるか、その実績を示さなければ、何を根拠に患者さんに勧めることができるでしょうか。

メインテナンスケアという効果を肌身で直感しにくい診療行為、長い年月で個人差の出る診療行為では、患者さんに実績を正しく伝える必要があります。そしてこのサイクルに多くの診療所が参加して、このサイクルを拡大していくことが日本の歯科疾患の疾病構造を変える戦略となるでしょう。レセプトサイクルの中では、医療費の増大も、健康も、患者さんのQOL も何も改善しないでしょう。大事なことはアウトカム評価と患者評価を取り入れたヘルスケアサイクルの拡大です。

レセプトサイクルとヘルスケアサイクル

レセプトサイクル:診療報酬の情報(請求)を出して、それを元に医療にかかる費用が算出され、給付を制御する情報が返ってくる。 レセプトのオンライン化が進むとコストのコントロールは一段と厳しくなる。そこには医療給付によって得られるはずの健康の評価はない。

ヘルスケアサイクル:健康のアウトカム評価やQOL の評価などによって初めてメインテナンスケアの意義が社会的に理解されるでしょう。メインテナンス患者さんと協調して初めて医療制度を動かすことができる。