Webセミナー_レポート

2020年7月からスタートしましたWebセミナー(有料)。
こちらではその様子をレポートしていきます。参加者アンケートからのコメントも抜粋して感想も載せていきます。
ちょっとオンラインはハードルが高い…と思っている方もレポートを参考に、参加への足掛かりになればさいわいです。
Webセミナー 第8回 2020年10月7日(水)20:00〜
リエスマネジメントセミナー第5回 カリエスマネジメントの基本 臨床例から学ぶ Part 2(講師;杉山精一)
第8回目のWebセミナーは、杉山精一代表による「カリエスマネジメントの基本 臨床例から学ぶ Part 2」というテーマでおこなわれました。カリエスマネジメントセミナーに関しては過去に4回の講演があり、第5回は臨床例から学ぶPart2として主に咬合面う蝕についてのレクチャーでした。
筆者の医院では頻繁に小児の患者が学校健診でう蝕ありにチェックされた紙を持参して来院されます。口腔内を診査すると6番の咬合面の着色の場合が多くあり、その時にどのように対応すればよいか悩んでいました。また咬合面裂溝の着色かう蝕で悩むケースもあり、今回のセミナーをぜひ聞いてみたいと思いました。
はじめに、6番の咬合面の写真で切削するか参加者に尋ねたところで、咬合面う蝕の診断についてのお話しがありました。咬合面の着色を安易に切削するリスクを症例も交えて説明され、カリエスマネジメントの目的は健全歯質の保存ということを強調されました。そして診断には視診だけではなく、エックス線も必須で、ダイアグノカムの解説もありました。
その後、咬合面の口腔内規格写真について説明がありました。特にその撮影法について動画を用いて解説があったことが良かったです。また患者の説明に咬合面着色の経時的な記録をみせることも有効だというお話でした。
その後、多くの症例を提示され、カリエスコントロールが簡単なものから難しかったケース、またシーラントの対応、歯肉縁下のう蝕についてなど、実際の臨床例による解説をいただき、明日からの診療に大変参考になりました。
最後に、咬合面の着色=う蝕ではなく、エックス線写真による診査、特にHidden cariesに注意すること、咬合面の口腔内規格写真で経年的な変化を診て行くことの重要性を話され、その後多くの質疑応答があり、盛会の裡に終了となりました。
Webセミナー受講者はその内容をアーカイブ配信(オンデマンド)で聴講ができるので、ぜひ筆者の医院でも後日スタッフと一緒に勉強したいと思う内容でした。
参加者感想(30代女性):フッ化物の知識のアップデートができてとても有意義でした。ありがとうございました。
参加者感想(40歳男性):エビデンスが多く大変わかりやすい内容でした。
Webセミナー 第7回 2020年9月30日(水)20:00〜
歯科衛生士が浸麻してもいいって知っていましたか? 歯科衛生士の業務範囲を理解しよう!(講師;斉藤 仁)
第7回目のWebセミナーは、斉藤 仁副代表による「歯科衛生士が浸麻してもいいって知っていましたか? 歯科衛生士の業務範囲を理解しよう!」というテーマでした。
「歯科衛生士が浸麻してもいいって知っていましたか?」ちょっと気になるタイトルです。筆者の医院では日々、歯科医師や歯科衛生士、歯科助手と協力して診療をおこなっていますが、それぞれの役職でどこまで仕事を任せていいのか悩むことがあります。多々ある診療所でルールが違うかもしれませんが、基準となる法律的にはどうなのかを勉強したいと思い参加しました。
まず、ヘルスケア歯科診療で大切な「チーム医療」をおこなう上で、各チームメンバーすなわち歯科医師・歯科衛生士・歯科助手が各々の業務範囲を理解する必要があるのですが、それを勉強した機会があったか、という問いから始まりました。例えば学生教育(歯学部や歯科衛生士専門学校)で法律的な業務範囲を学ぶ機会はあったのか? そして卒業してからも研修施設や勤務先のルールで何となくそれぞれの業務範囲を判断していたのはないか? というお話でした。そうした曖昧な歯科分野のルールに悩んでいたなかで、2014年に日本ヘルスケア歯科学会で法律に基づいて『歯科衛生士業務(診療補助)に関する業務ガイドライン』をまとめた経緯があり、その内容を解説していただきました。
その後、昭和23年の歯科衛生士法の制定から様々な改正の歴史的な経緯をお話しされ、歯科衛生士業務として①予防処置 ②診療補助 ③歯科保健指導があり、特に診療補助の項目で保健師助産師看護師法第三十一条第一項及び三十二条の規定にかかわらず、歯科医療行為の補助ができることについて解説されました。そして「医業」について厚生労働省医政局長通知の内容を説明され、歯科医師と歯科衛生士の線引きは「医業」に基づいた行為(医行為)であり、その判断は個別具体的にする必要があるとのことです。そうした中で、「医業」については絶対的医療行為と相対的医療行為があり、その線引きには司法でもグレーゾーンがあり、一つの判断基準として日本ヘルスケア歯科学会でガイドラインを規定した経緯をお話しされました。ただし、この線引きも他学会では異なるものもあるとのことです。
なお、このガイドラインは学会ホームページで閲覧(PDFでダウンロード可)できます。詳しくはホームページのLibraryから歯科衛生士業務ガイドラインをご覧ください。詳細をお知りになりたければ、ぜひご一読ください。最後に講師から、歯科衛生士に積極的に浸麻をさせようという内容ではなく(さいとう歯科室でも歯科衛生士に浸麻をさせていない)歯科衛生士の業務範囲が法律的にどこまで許容されるのかを理解していただければ、というまとめでセミナーが終了しました。
参加者感想(30代男性):ヘルスケアの業務ガイドラインを読みたいと思いました。
参加者感想(20代女性):法律上はしてもいいということしか分からなかった。
参加者感想(30代女性):歯科衛生士向けの局所麻酔の本があれば教えていただきたかった。
Webセミナー 第6回 2020年9月23日(水)20:00〜
リエスマネジメントセミナー第4回 カリエスマネジメントに必要なフッ化物の知識(講師;杉山精一)
第6回目のWebセミナーは、杉山精一代表理事による「カリエスマネジメントに必要なフッ化物の知識」というテーマでおこなわれました。カリエスマネジメントに関しては、第1回はICDAS、第2回はCRASP、第3回は臨床例から実際のカリエスマネジメントについて学び、そして今回、第4回目として臨床に必要なフッ化物について勉強する機会となりました。また、今回は、先日のオンラインサロンでレクチャーをしていただいたイエテボリ大学留学中の石塚洋一さんをゲストとしてお招きしました。
当院では、特に初期う蝕の患者に歯質保存(再石灰化)療法をどのように進めていくのか、具体的な方法が決まっていなかったので是非受講したいと思い参加しました。
まず、参加者にいくつかの簡単な質問を投げかけ、その答えを詳しく解説する流れでセミナーが始まりました。最初の質問はホームケアにおけるフッ化物歯磨剤のう蝕予防効果についてでした。世界中をみても1970年代以前の「虫歯の大洪水」からう蝕が激減した要因はフッ化物含有歯磨剤の使用という見解で一致しています。1日2回以上の適切な濃度のフッ化物含有歯磨剤を用いたブラッシングと少量のうがいがキーポイントで、お口の中にフッ素を残すことが大切だというお話でした。
次に、乳幼児におけるフッ化物歯磨剤の使用する時期です。以前はブクブクうがいが出来るようになるまで歯磨剤使用は控えるべきだとの見解もありましたが、歯が萌出したら使用すべきという見解を様々な文献を通して示されました。
最後にフッ化物歯磨剤以外の商品に関して紹介があり、フッ素洗口剤、フッ化ジアンミン銀などについて、特にフッ化物バーニッシュ剤(クリンプロホワイトバーニッシュ、スリーエム・ジャパン)が日本でもようやく販売されたとのお話があり、映像や症例を交えてその使い方や適用法について説明されました。
まとめとして、日本におけるフッ化物の知識や使用法を海外と比較するとまだまだ問題が山積みで改善の余地があるという現状を、ゲストの石塚先生からもコメントしていただきました。その後、質疑応答では多数の質問についてひとつ一つ丁寧にお答えいただき、盛会のうちにセミナーが終了しました。
今回の内容をスタッフと情報共有し、今後の具体的な歯質保存(再石灰化)療法を考えていきたいと思います。
参加者感想(40代男性):エビデンスが多く大変わかりやすい内容でした
参加者感想(40代男性):知らない知識(商品・考え方)を知ることが出来て、勉強のきっかけになった。
Webセミナー 第5回 2020年9月9日(水)20:00〜
NCCL(Noncarious Cervical Lesion:非う蝕性歯頸部歯質欠損)アップデート2020(講師;黒江敏史先生)
第5回目のWebセミナーは、黒江敏史先生による「NCCLアップデート2020」というテーマの講演でした。
当院でも日々の診療の中でいわゆる楔状欠損には頻繁に遭遇します。このようなう蝕が原因でない歯頸部歯質の様々な形態の欠損はNCCL(Non-carious cervical lesions)と定義され、黒江先生の詳細にわたる研究がいくつかの雑誌(日本歯科医師会雑誌2020年8月号 、 ザ・クインテッセンス2019年7~9月号、 歯科衛生士2019年10・12月号など)で紹介されています。
どうやらこのNCCLはアブフラクションが関係して起きる現象ではないことだと理解しましたが、曖昧な知識のまま診療を行なっていました。今回はそのアップデートとして、是非黒江先生の生の声を聴講したいと思い参加しました。
初めに杉山精一代表から講師紹介があり、黒江先生のセミナーが始まりました。冒頭で「NCCLはアブフラクションが原因ではなくブラッシングと歯磨剤が主原因であるとの結論に達した」という現在の考えを述べられ、このショッキングな(おそらく、日本の歯科界では未だ楔状欠損はアブフラクションが原因と思われているでしょう)提言の根拠を多くの論文や症例を用いて、時代の推移と共に説明されました。補綴科出身の黒江先生は、アブフラクション仮説が発表された当時(1990年代)から積極的肯定論者で研究を行なって来られましたが、その後ご自身の研究や様々な論文を検証した結果(2000年代以降)、アブフラクション原因説に対して否定的になったとの解説がありました。
まとめとして、①21世紀になってから蓄積されてきたアブフラクションに否定的な研究結果による考察 ②黒江先生が開業地で10年間に経験したNCCLの発生・進行の前向き検証の結果、咬合力の関与が認められなかったこと ③力に起因するトラブルが起きた歯の然るべき部位にNCCLの発生が確認できなかったことをお話されました。
最後に講師から、ヘルスケア歯科診療の特徴である長期間規格性のある資料を採得し経過を診ていくことがNCCLでも重要であるとのお話があり、その後参加者から多くの質疑応答をいただき、盛会の中セミナーは終わりました。
末筆になりますが、今回のWebセミナーは初の外部講師であり、また聴講者には会員外の方も参加されました。ご講演いただいた黒江先生の今後益々のご活躍をお祈り申し上げ、このセミナーにご協力いただいた運営メンバーの方々に御礼を申し上げ、報告と致します。
参加者感想(女性):歯科衛生士として、NCCLがある患者に対してどのような指導が必要かを考え直す良い機会になりました。今回学んだことを院内全体で共有し、話し合いながら臨床に還元していきたいと思います。ありがとうございました。
参加者感想(男性):他の先生と同じように咬合が関係しているのかなぁとモヤモヤしていたところが、わかりやすい説明でスッキリしました。自分もNCCLについてもっと理解を深めていきたいと思いました。明日からの臨床に役立てていきたいと思います。ありがとうございました。
参加者感想(男性):勉強になりました よく観察すること 見直すこと 大切だと思いました
Webセミナー 第4回 2020年8月26日(水)20:00〜
助成金でヘルスケア
第1弾 働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)(講師;斉藤 仁)
第4回目のWebセミナーは、斉藤 仁副代表による「助成金でヘルスケア」というテーマでした。特に今回は、働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)について詳しい制度内容や申請方法をご教授していただきました。
会員の院長においては、先の見えない新型コロナウイルス感染症対策の中で日々経営に不安を感じながら診療していることと思いますが、このような業者が関わらない仲間内のナマの情報は本当にありがたい機会だと思い参加しました。
当院は、歯科ディーラーからの紹介で(お互い機材を購入するメリットがあるので)いくつかの助成金を申請しましたが、ほとんど業者の紹介された社労士任せで手続きしました。当然手数料(2割)を取られます。
まず斉藤さんの提言として、院長自ら申請することのメリットをお話されました。それは①手数料が掛からないこと ②その助成金の目的が理解でき、経験することでその後の別の申請も楽にできること ③ヘルスケア診療所として大切なスタッフに働きやすい環境を整備できること、という興味深い内容で始まりました。
次に、働き方改革推進支援助成金(厚生労働省)と補助金(経済産業省)の違いについて、特にその仕組みや申請方法について知ることができ参考になりました。
その後、働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)の具体的な制度内容、申請・導入に至るメリット(特にスタッフへの就業規則の整備や36協定、有給休暇取得等について労働基準法を遵守している事の福利厚生を見直す機会として)、具体的な書類の書き方や申請の時期・締め切りなどの詳細のお話も大変勉強になりました(因みに、36協定;サブロク協定とは、労働基準法36条に基づく法定労働時間を超えた残業に関する労使協定のことです)。
最後に、講師から「これらの助成金を活用して、スタッフとの信頼関係に結びつけることが大切です。ヘルスケア診療を始める、軌道に乗せる、長く継続させるために上手に助成金や補助金を利用しましょう」というメッセージでした。講演後、参加者から10件以上のzoomのQ&Aによる質疑応答で活発な意見交換があり、盛会の内にセミナーは閉会となりました。
参加者感想(30代男性):申請に何が必要なのかの情報を手に入れられたため、良かったです。
参加者感想(40代女性):内容がわかりやすかった、やってみようも思いました。ただ、今欲しいものが決まらない、、、
Webセミナー 第3回 2020年8月12日(水)20:00〜
カリエスマネジメントセミナー第3回 カリエスマネジメントの基本 臨床例から学ぶPart1(講師;杉山精一)
第3回目のWebセミナーは,杉山精一代表による「カリエスマネジメントの基本 臨床例から学ぶPart1」です.
今までカリエスマネジメントについては第1回ICDAS,第2回CRASPについて講演され,ヘルスケア歯科診療としてのう蝕の診査診断の基礎を学びました.今回からは実際の臨床例でカリエスマネジメントについて学ぶ3回にわたるコースです.
当学会では,う蝕治療は従来のう窩の処置(削って,詰める)ではなく,脱灰と再石灰化のバランス考え病因論に基づいたう蝕治療を推奨してきました.当院でも日々そうした考えで診療を行っていますが,知識のブラッシュアップのため,ぜひ参加してみたいと思いました.
まずは,修復治療の経過を杉山歯科での実際の症例でいくつか供覧し,一度修復した歯は再治療が必要になるという結果を,いくつかの文献でご教示いただきました.
次に歯の喪失に至る原因の解説がありました.定期的に来院されている患者さんが抜歯に至ることは,我々も大変残念です.この原因は歯周病の方が多いように思われますが,実はう蝕由来,すなわち根管治療をした歯根の破折や根尖病変などの方が多いとのことです.よって,いかにう蝕を重症化させないかが重要だとお話されました.
その後,実際のカリエスマネジメントをわかりやすく解説していただきました.特に重要なのは定期的に経過を診ることで,患者さんと情報を共有し現在の状況を知ってもらうことです.現在これだけ多くの歯科医院がありますが,患者さんの意思で定期的に来院してもらうには,継続した資料を共有しカリエスマネジメントの情報をシェアすることが重要であるとお話され,大変共感を持ちました.
最後に,講師から「裂溝の黒変などすぐに削りたくなるかもしれないが,その時は一度記録を採って半年一年と経過を診てください.患者さんも自分の歯の状況を知れば来院してくれます.変化がなければ削る必要はないのです.これ以上,歯を削るのはやめましょう」というまとめでWebセミナーが終了しました.
参加者感想(50代男性):スタッフ向けにとても良かったです
参加者感想(40代男性):ペリオの管理だけではなくカリエスの管理も必要で医院のデータを見直そうと思いました。
参加者感想(60代男性):7月のセミナーをふまえてもう一歩踏み込んだまたは、進めた内容にした方が良かったと思いました。全体の流れが分かっていませんので次回も楽しみにしております。
Webセミナー 第2回 2020年7月21日(火)20:00〜
カリエスマネジメントセミナー第2回 カリエスマネジメントの基本CRASPをマスターしよう(講師;杉山精一)
第2回目のWebセミナーは,杉山精一代表による「カリエスマネジメントセミナー カリエスマネジメントの基本 CRASPをマスターしよう」という演題で,CRASPを知らない,または臨床で使っていない歯科医師と歯科衛生士を対象に行われました.
今回は平日の夜にも関わらず北海道から九州まで様々の地域から20名以上の参加があり,Webセミナーの利便性の良さを感じました.
当院では既にCRASPは導入して日々の臨床に使用していますが,知識のブラッシュアップと後ほどYouTubeを使ったセミナー動画をスタッフと一緒に勉強できる機会もあり,ぜひ参加してみたいと思いました.
まずは,日本のう蝕有病者率やフッ化物歯磨剤の普及率,カリエス病因論,杉山歯科でのカリエスリスクマネジメントの推移・考え方を説明され,CRASPを開発された経緯をお話されました.そのなかでは,海外の多数の文献も紹介され多くのエビデンスを知り,大変示唆に富む内容でした.
次に,CRASP,CAT21の具体的な使用方法について紹介され,誰がどこでどのように実施されているのか,わかり易く紹介されました.CRASP,CAT21の活用について,講師は一例として提案しており,使用する診療所毎にカスタマイズしていただければ,とのお話でした.また症例を二つ(子どもと高齢者)カリエスリスクの変化をCRASPを通して提示していただき,大変参考になるスライドでした(オンラインならでは,口腔内写真やX線写真が大変クリアに閲覧できます).
まとめとして,検査ありきのカリエスリスクマネジメントではなく,現在起きているう蝕の進行状況に対する最低限のチェックをするツールであり,日々変化する将来のカリエスリスクを診断するものではないということでした.自分としても大変腑に落ちる内容であり,ぜひ院内でも改めてスタッフと共有したいと思いました.
CRASPの用紙を使い,音声で実際に記入する体験ワークがあり,最後にQ&Aでの10件程の質疑応答があり,WEBならではのライブ感のなかでセミナーが終わりました.
なお,今回のWEBセミナーはデンタルダイヤモンド社の取材も受けており,このような考え方・勉強会が歯科会に広く普及していくことを期待します.
参加者感想(40代男性):具体的な症例でみれたのが良かったです。
参加者感想(50代男性):CRASPの使い方が分かりました。使用してみようと思います。
Webセミナー 第1回 2020年7月7日(火)20:00〜
カリエスマネジメントセミナー第1回 カリエスマネジメントの基本ICDASとXRをマスターしよう(講師;杉山精一)
当学会で初の試みとなる記念すべき第1回目のWebセミナーは,杉山精一代表による「カリエスマネジメントセミナー」でした.カリエスマネジメントセミナーは3回のコースになっており(その後6回完結に修正された),初回はICDAS・XRの紹介・使用法,実際に症例写真を提示して診査の基準等のレクチャーでした.
ICDAS・XRは当学会のなかでかなり浸透していると思われますが,2019年歯科医師国家試験の出題や歯学部・歯科衛生士の教科書にもいくつか記載されていることに鑑みると,歯科医療界での認知度も高まり,将来のう蝕診断の標準的な基準となる可能性があります.
初めに,杉山さんのICDASの出会いと歴史,カリオロジーに関する国際的な学会との関わりや学び,XR開発の経緯等のお話がありました.その背景には,1970年代から国内でもう窩が減少し,カリオロジーがクローズアップされ,再石灰化療法や経過観察に関心が集まるという変化があり,初期う蝕の診査・検出のキャリブレーションが重要になるなかで,杉山さんがICDASに着目し,大変な熱意で導入した経緯を紹介されました.
その後,ICDASコードとXRの診査法についてご教示いただき,ICDASはプラークを取り除いたエアーによる乾燥下での視診が大事であり,診査方法だけではなく記録の方法やどのタイミングで誰が診査し,患者と情報共有するのか等,具体的な臨床での活用方法についてお話がありました.
次に,今回のWebセミナーのメインとして,いくつかの症例写真・X線写真を提示し,クイズ形式でICDAS・XRの診査法を具体的にご教示いただきました.エナメル質形成不全や裂溝着色などコード分類に悩むケースもわかり易く解説していただきました.
今回の内容はICDAS・XRの診査法を導入したい,導入したがどのように活用すればいいのか,また新人歯科医師やスタッフの教育にピッタリのセミナーだと思いました.
コロナ禍のなかですが,オンラインセミナーは比較的自由に受講でき(特典としてYouTubeで1ヵ月視聴可能.詳しくは学会ホームページ参照),またWebセミナーならではのスライド症例写真の質の良さ,また講師との診断のキャリブレーション,質疑応答など,一方通行ではないライブ感があり大変満足できました.
当学会の企画育成委員会では,今回のセミナーを聴き逃した会員,また再度受講したいという会員向けに,今後また同じような内容のWebセミナーを開催することを考えています.ぜひご参加ください.
参加者感想(40代男性):コードが書き留める時間が少なく、クイズの際に何となくでしか答えられなかった
参加者感想(20代女性):臨床でICDASの資料に触れていたが、実際に判断することが難しく分からないことが多かったので、今回セミナーを受けて明日からの臨床でいかせると思いました。
参加者感想(40代男性):クイズ形式、緊張感ありながらも楽しく、しかもいつの間にかコードを覚えることが出来てよかったです。スピードも、考えさせ過ぎず、よかったと思いました。