準会員制度廃止のお知らせ
2014年3月の代議員会(オピニオンメンバー会議)において,準会員制度の廃止および「その他正会員」の年会費改定が承認されました.このため2015年度より次のように制度が変わります.
1. 準会員の廃止
2. 「その他正会員」の年会費を改正
歯科医師以外の「その他正会員」の年会費を現在の6,000円から3,000円に改正
3. 入会金の免除規定
準会員の廃止に伴い準会員であった者で,「その他正会員」に登録する者は入会金を免除する.ただし,この免除規定は準会員の廃止から1年間限りとする
4. スタッフ登録制度(診療所会員)の新設
現在の準会員は「その他正会員」へ移行することを原則とするが,それを望まない場合には「診療所会員」として登録することができる.登録の申請,変更(就職者,離職者)は正会員歯科医師(院長)が責任を持って行う.「診療所会員」の会費は無料.しかしながら会員としての優遇処置(会員価格でのイベント参加,ヘルスの受け取りと使用等)は一切付与されない.会員限定のイベント(歯科衛生士育成コース等)には参加可能とするが正会員とは異なる参加費用とする.
現在の年会費 | 2015年からの年会費 | 入会金 | |
現在の正会員 歯科医師 | 12,000円 | (同じ)12,000円 | 5,000円(従来どおり) |
その他 | 6,000円 | 3,000円 | 3,000円(従来どおり但し2014年度までに準会員として登録されている者が,2015年度中に正会員に登録する場合は入会金免除 |
現在の準会員 | なし | 廃止 |
改正の理由:現状の問題点
現在,正会員からの申告に基づいて,正会員登録をしている歯科医師の医院に勤務している歯科衛生士・歯科技工士ほか医院スタッフを準会員として登録しています.しかしながら,以下のような問題点が指摘されています.
1) 準会員登録の確認は会員名簿作成時には全正会員に問い合わせを行っているが,前回の会員名簿作成は2011年である.従来は概ね2年に一度の名簿作成を行ってきたが,経費削減とWeb上での会員検索を整備したことにより,今後の名簿作成予定は未定である.名簿作成時以外の準会員の移動(就職者,離職者)については正会員からの申告に基づいて随時行っているが,就職者,離職者がいた時に怠りなく申告を行っている正会員もいるものの,そうでない正会員も少なからずいるようである.その結果,準会員の登録は人数,氏名において必ずしも実態を正しく反映しているとは言いがたいのが現状である.
2) ニュースレターおよびハイジタイムズは,本学会の活動内容や活動指針について会員に対して様々な情報を伝達する手段として極めて重要な役割を担っている.現在,ニュースレターおよびハイジタイムズは正会員にのみ配布している.正会員が配布されたニュースレターおよびハイジタイムズを準会員に回覧,配布することが望まれるが,必ずしもそうではない.準会員に対して『ニュースレターおよびハイジタイムズを読んだことがありますか?』と質問すると殆どの準会員が『読んだことがない』と回答している.
3) ヘルスケア歯科診療を実践していくにあたっては診療所のスタッフ全員によるチーム医療が不可欠である.その考え方から正会員登録をしている歯科医師の医院に勤務している歯科衛生士・歯科技工士・医院スタッフなどを準会員として登録できる会員制度となっている.スタッフ重視の会員制度と解釈できなくもないが,実はこの制度は歯科医師(院長)中心の発想である.歯科衛生士等のスタッフは会員歯科医師に従属した立場であり,従って正会員としての登録は必要とされていない.本来,対等なパートナーの立場であるべき歯科医師と歯科衛生士等のスタッフの関係に明らかな上下関係を築いていることになる.日本ヘルスケア歯科研究会発足当時にはこのような制度設計は容認されていたと考えられるが,一般社団法人日本ヘルスケア歯科学会となり,発足後16年が経過して,近い将来には日本歯科医学会認定分科会への加入を目指している今現在の状況を考慮したとき,歯科医師と歯科衛生士等のスタッフが対等な立場での活動を行うことをコンセプトとした会員制度に改めるべきである.
今後の展望
準会員の廃止に伴い,「その他正会員」に登録する者も相当数いるであろうが,「診療所会員」にとどまってしまう者もかなりの数に上ると予想される.より多くのスタッフに「その他正会員」に登録してもらえるように,今後,本学会は活動の方向性を明確にして会員にとって魅力ある活動を,今現在以上に活発に行っていく必要がある.また,「その他正会員」を対象とした活動あるいは配慮した活動を行っていく必要もあると考える.