一般社団法人 日本ヘルスケア歯科学会 オピニオンメンバー会議併催シンポジウム
一般社団法人 日本ヘルスケア歯科学会 オピニオンメンバー会議併催シンポジウム
「歯科衛生士“診療補助業務”ガイドラインをめぐって」
3月8日 午後 1時~4時30分
会場:東京八重洲ホール2階大会議室(201)
日本ヘルスケア歯科学会では、昨年3月に「歯科衛生士業務“診療補助”に関するガイドライン」を作成しました。本学会は、歯科医師中心の修復に偏った歯科医療ではなく、患者自身の健康意識と健康行動を変えることを最優先にしたヘルスケアの実現を設立目的に掲げています。そのためにはチーム医療にかかわる職種の自立心や責任感、そして専門家としての知識と経験、職能としてのプライドと自覚が求められます。
しかし、歯科衛生士の業務について、多くの歯科医師には、まだ十分な理解がありません。「ペリオの患者の歯肉縁下の器具操作は、やっちゃいけないんじゃない?」こうした誤解・無理解の多くは、歯科衛生士の「診療補助業務」をアシスタントワークのことだと勘違いしていることにあるようです。法律(歯科衛生士法)でいう「診療補助」とは、歯科医師の指示によって歯科医行為を行うことです。この理解は、チーム医療を進めていく上でとても重要です。
そこで「診療補助」についての理解を深め、歯科衛生士の研修と個々の診療補助業務を関係づけるために診療補助業務ガイドラインを作成しました。これを世に広めようというのが今回のミニシンポジウムの趣旨です。
さて法律(保助看法)が改正され、看護師の行う一般の医行為よりも侵襲度の高い行為や医学的判断の難しい医行為を「特定行為」と呼んで、特別に教育を受けた看護師の業務範囲に加えることになりました。チーム医療を進めるために看護師の業務が大きく拡大されるのです。医師だけでなく歯科医師もまたこの特定行為について看護師に診療補助を指示することができることになります。
病院歯科衛生士は、従来から臨床現場で求められる業務と法律の板挟み状態にありましたが、今後一層、その状況が深刻になると考えられます。また在宅や施設での歯科衛生士の業務は、主に診療補助業務として行われるわけですが、そこを狭く考えるとチーム医療が求められる地域包括ケアという今後の医療介護の新しいかたちの中で、歯科衛生士が十分に活躍できなくなるおそれがあります。
そこで、チーム医療を念頭に「診療補助」をめぐるシンポジウムを企画しました。
1. 歯科衛生士業務“診療補助”に関するガイドラインについて
河野正清(小平市開業、本会コアメンバー)
2. 基調解説 歯科衛生士業務にかかわる法改正
石井拓男先生(東京歯科大学教授・副学長)
3. 病院における病院歯科衛生師の役割
白田千代子先生(東京医科歯科大学保健学部)
4. チーム医療と「特定行為」——経緯と医師たちの認識
西田 博先生(東京女子医科大学心臓血管外科)
コーディネーター 秋元秀俊(医療ジャーナリスト、本会コアメンバー)