ホームへ
当会は「禁煙支援ヘルスケアセット」として 院内等の掲示用ポスター、手軽に読んでいただけるリーフレット、チェアサイド等での説明用カラーシートをセットにして販売しております。詳しくはこちら

禁煙まめ知識

タスポ(taspo)

歯科衛生士 馬場亜紀(たかぎ歯科医院)

 2008年3月より、地域ごとに順次、未成年者の喫煙防止対策の一環として、『成人識別たばこ自動販売機』が導入されています。この自動販売機を利用するためには、成人のみに発行されるICカード(タスポ)が必要です。タスポを申し込む際には、運転免許証や各種健康保険証、住民票などの本人確認書類のコピーが必要です。
 以前に比べるとタバコの購入が容易ではなくなりますので、未成年者に限らず、禁煙を考える機会になればいいなと思います。
 タスポは顔写真つきですが、自動販売機がカードと本人を確認できるわけではありませんので、カードの貸し借りや未成年者が保護者のカードを持ち出して使用することも考えられます。また、タスポだけでなく、運転免許証も自動販売機で認識できるように改良(「良」なのか疑問ですが)するというニュースもあり、今後の動向が気になります。-- 当会newsletter 11-2(2008.5.7)より--

■ taspo公式サイト http://www.taspo.jp/

ニコチンパッチ

歯科衛生士 永山めぐみ(たかぎ歯科医院)

 ニコチンパッチは、これまで医師による処方が必要でしたが、OTC化されることが決まりました。OTCとは「Over The Counter」の略で、街の薬局のカウンター越しに売られる薬、つまり市販薬のことを指します。ニコチンパッチを患者さんが薬局で購入できることになります。実際の販売は、薬事・食品衛生審議会での正式承認後になるので、今年後半くらいになるといわれています。
 これまでの医療用のニコチンパッチ(ニコチネルTTS®)も残りますが、OTC薬としてのパッチは3社から販売される予定です。いずれの製品も医療用よりニコチン含有量が低く設定されています。ニコチネルでいえば一番大きいサイズのパッチは今までどおり、医師の処方が必要です。
 ニコチン依存度が高い患者さんには、やはりサイズの大きいものからの使用が必要ですので、禁煙開始時は医療用を、喫煙欲求が少なくなってきたらOTCの小さいサイズを患者さんが自分で選択するというように、うまく医療用とOTCを使い分けていくことが必要でしょう。
 患者さんが薬局で手軽にニコチンパッチを購入できるようになり、今後禁煙支援がますます普及していくと思われます。私たちはそれに伴い、いつでも正しい知識と情報を患者さんに提供し、一人でも多くの患者さんが禁煙に成功できるよう支援していかなくてはならないと考えます。-- 当会newsletter 11-2(2008.5.7)より--

バレニクリンについて

歯科衛生士 永山めぐみ(たかぎ歯科医院)

 バレニクリンとはニコチンを含まない経口禁煙補助薬です。海外ではすでに発売されており、医師の処方により服用ができます。日本でも今年に入ってから、厚生労働省の承認を受けました。
喫煙者がタバコを吸うと、ニコチンが数秒以内に脳に到達します。ニコチンはニコチン受容体と結合し、タバコによる満足感を生み出します。得られた満足感はその後急速に弱まり、喫煙したい欲求と離脱症状に代わります。これがニコチン依存のしくみです。
 バレニクリンは選択的ニコチン性アセチルコリン受容体の部分作用薬で、ニコチン受容体に結合し、喫煙したい欲求とニコチンからの離脱症状を緩和します。また服用中にタバコを吸うと、バレニクリンの持つニコチン受容体を遮断する作用によって、喫煙によって得られる満足感を抑えるといわれています。
 バレニクリンはニコチンガムやニコチンパッチのようにニコチンを含まないので、これらの禁忌症である、妊婦、脳心血管疾患の急性期、重篤な不整脈、ニコチン製剤の過敏症の場合にも服用が可能です。私の診療所の患者さんでも、ニコチンパッチの使用により皮膚がかぶれてしまった方が何人かいらっしゃいましたが、そのようなケースに使えたらいいなぁと思っています。しかし、服用後に興奮・抑うつ状態、異常行動、精神疾患の悪化などが報告されており、副作用についての懸念もなされているようです。(歯科においては当面保険適用外となりそうです。-- 当会newsletter 11-2(2008.5.7)より--

▲TOP