2015.10オピニオンメンバー会議議事録

一般社団法人 日本ヘルスケア歯科学会
社員総会(オピニオンメンバー会議)議事録
日程;10月11日(日) 午前10時10分より12時00分
会場;秋葉原コンベンションホール 5F会議室
議長:斎藤健氏
議事録署名人:米山吉洋氏、蓮見愛氏
総数63名、出席47名、議長などへの委任11
報告事項
第1号議案 会員制度の改正を振り返る
第2号議案 事業報告、とくに企画育成委員会の活動
協議事項
第3号議案 ヘルスケアミーティング2016の企画
第4号議案 認証診療所の情報公開のあり方について
議長(斉藤):ご指名にあずかりました千葉県市川市の斉藤健でございます。きょうは重要な協議事項もございますので、じっくりと進めていきたいと思います。皆さまのご協力を、よろしくお願いいたします。
それでは、まず報告事項の第1号議案の「会員制度の改正を振り返る」でございます。こちらはお配りしている用紙をご参照の上、よろしくお願いいたします。それでは、ご担当の方からお願いいたします。
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●第1号議案 会員制度の改正を振り返る
田中:第1号議案、会員制度の改正を振り返る。このオピニオンメンバー会議で鈴木正臣先生から以前に提案があったその会議の発言を基に改正を進め、準会員制度というのをやめて歯科衛生士の正会員とそれ以外というかたちにしております。そのように歯科衛生士の正会員化を進め、歯科医師ではない正会員は6千円の年会費だったものを3千円に下げ、その代わり皆さまには正会員として登録をしてもらい、学会からの情報もクリニック経由で直に届くようにしました。
年会費を半額にして期待するほど入らなかったらどうなるのかというような心配はいろいろとあったのですが、お手元の資料にありますように、2013、2014年と歯科衛生士の正会員数が90数人だったのが265人と3倍近くに増えました。この正会員の方々にもニュースレターを配布し、その他学会からの情報が直に届くようになりました。
また、「その他コデンタル正会員」の2015年というところに「5」と書いてありますが、これは「27」の間違いです。主に歯科衛生士さんらの正会員が増えたわけですが、その他歯科助手、受付の方々も増えています。以前は正会員が4人しかいなかったんですけども、それが23人増えて現在のところ27人となっています。
まだ、去年準会員から正会員に移行すると表明してくださった方々は、2015年中は入会金が免除になっていまして、もちろん入会金を払って新たになるのも歓迎なんですが、ことしの末までには移行してくださるものと思っています。このように、これだけ正会員数が増えています。
後ろのグラフで「会員制度改正前後の会員数の推移」となっていますけども、歯科医師会員は今少しずつ減っている状態ですが、正会員全体としては会員制度を変えてぐっと増えたことになっております。
報告は以上になりますが、きょうここに歯科衛生士のオピニオンメンバー12人のうち11人に出席していただいております。もともと正会員だった方々ばかりだと思いますが、この改正を受けて何か感想や意見などありましたらお願いします。
山田:とても良かったと思います。こんなに人数が増えるとは思わなかったので、結果を見てびっくりしました。ドクターは減っているみたいですけど、歯科衛生士が頑張っている学会というアピールができるようになってきたのではないかと思いました。
田中:ありがとうございます。ドクターについて今は減ってはいるんですけど、コアメンバーの高橋先生などが今非常に努力して下さっていて、ドクターの新規入会も増えている状況ではあります。
他には何かありますか。鈴木先生のお話から始まったこの改正なんですけど、いかがでしょうか。
鈴木:正会員が増えたところは、どちらかと言うと関西のほうの先生方のスタッフが増えたんでしょうか。そういうところはありますか。
秋元:特に関西ということはないと思います。ほぼこのオピニオンメンバーのところだと、大体そういうことが言えます。ということは関東が比較的多いです。
鈴木:関東のほうの盛り上がりも10年以上たってくると、私を始め情熱が少しずつ冷めてきて少し活気がないと思っているんですけど、年齢がだんだんと上がっていきます。長くやっているとスタッフというのは常に入れ替わりがありますし、そういった点で新しいところのほうがどんどんと活発になっていくようになるのではないかと思います。そういう意味でも全国的にというか、新しい歯科医師が入ることによって歯科衛生士のほうも増えていくことを期待しております。
河野:このオピニオンメンバーの先生方の診療所は、この会員制度が変わるまでは準会員だった方が正会員になられた先生方が多いと思うんです。そうすると、何が一番違うかと言うと情報の伝達される量というのがニュースレター等が個人個人に着きますので、院長から回してもらって読むというのではなく自分のものとして読むという、そういう大きな変化があったと思うんです。そのへんで正会員になったスタッフの意識とかに何か変化があったかどうかをお聞きしたいと思います。大井先生のところは、準会員が正会員になりましたか。
大井:認定衛生士になるために(正会員に)なった状態で、認定衛生士を取っていない衛生士はならなかったです。
河野:ぜひ、なってください。
大井:逆に聞きたいんですが、皆さんが院長として、自分のところの準会員の衛生士を正会員にするときに、会費の補助とかをされたんでしょうか。うちはしていないんですけど。
宇田川:全額払いました。
議長:何人分ですか。
宇田川:8人分。
田中:うちは、受付からアシスタントから歯科衛生士から勤務医まで全部入りました。
大井:医院ですか。
田中:医院で負担です。
河野:改定になる前は、入ろうと思うと入会金と年会費で9千円だったのが、ことしから3千円ですので一回飲みに行くのをちょっと控えるというつもりでいいんじゃないかと思うんですが。スタッフの多い沼澤先生のところは、いかがでしょうか。
沼澤:うちは入会金などの補助はしていません。当然個人にそれは任せています。認定衛生士を取った者は、認定衛生士のために入ったかと思います。その認定衛生士も個人の力ですし、それを維持するのも個人の判断に委ねているので、僕はなってくださいという立場ではないと思います。また、助手、その他勤務医も入りたければ入ってください、そうでなければということで、うちの方針としてはそんな感じです。
河野:宇田川先生のところは、医院が払って全員が正会員になって、いろんな情報がいくことによって何か変化はありましたでしょうか。
宇田川:きょうの学会には参加してくれています。でも、入っていない勤務医は参加していないです。
田中:会費の負担とかもいろいろとあると思うんですけども、うちの事情を申しますと、歯科衛生士はみんな正会員だったんですけど、それぞれに任せていたらいつの間にか会費を払っていなくてそのままうやむやになってしまっていて、だったら半額になっているしうちで一括をしてやればそういうこともないだろうと。「会員だよね」と聞いて「でも、もうたぶん払っていないです」と言われて、また、入っていたり入っていない従業員がいるのもややこしいということで。
意外だったのは、ニュースレターをアシスタントの子とかが結構読んでいました。やっぱり自分宛てに来るというのは、それなりにポジティブな気持ちになるみたいです。いつまで続くのかは分からないですけど、読んでもらえるようなニュースレターを作らなければと思っています。
田村:河野歯科は、6千円のときから半額院長が払ってくれて半額を分自分で払うんですけど、今はたぶん全額払っている衛生士と半分払ってもらっている衛生士がいて、自分で「私は全額払います」という衛生士と院長に半分払ってもらっている衛生士がいます。意識の差かな、私は正会員として自分で払いました。半額払ってもらっている人たちがいます。
議長:誰が決めるんですか。
田村:自分が決めるんです。
議長:自分たちが。
田村:自分が「私は全額払います」、院長は「いや、半額払うよ」と言っているけど、半額払ってもらっている衛生士もいて、それは自分で決めます。
河野:河野歯科のそれはどうでもいいんですけど。やはりこの日本ヘルスケア歯科学会、あるいはヘルスケア診療というのをやるには、やはり衛生士さんと一体になって日々の診療を構築していく必要があります。そのためには、この学会を共に盛り上げるのがドクターだけでいいわけではなく、普段一緒に診療をして助けてもらっている衛生士さんに同じ意識を持って一緒にやっていこうという気持ちになっていただいて、誰が払うかは別として、自分のところのスタッフには全員正会員になってもらいこの会を支えていくと、ぜひそのように皆さんには考えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
田中:1号、2号議案は報告事項ですので特に採決とかはありませんが、会員制度の改正に関する報告は以上です。議長、お願いします。
議長:活発なご意見をありがとうございました。順番が前後いたしまして申し訳ございません。オピニオンメンバー会議(社員総会)の成立要件をお話していませんでした。
オピニオンメンバー会員の総数は63名です。本日出席いただいている方は、47名です。議長を始めとして委任が11ございました。あと、2名上田先生と安田先生は、まだ見えていませんが成立の要件は満たしております。話が前後になりまして申し訳ございません。それから議事録署名人の選出でございますけれども、私のほうからお願いします。米山先生、蓮見さん、よろしくお願いいたします。
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●第2号議案 事業報告、とくに企画育成委員会の活動
議長:それでは、次に第2号議案でございます。「事業報告、とくに企画育成委員会の活動」でございます。こちらの担当の方からご報告をお願いいたします。
高橋:愛媛の高橋です。ことしの1月から企画育成委員会というものを立ち上げて、セミナーの充実を図っていくことをやっています。僕自身、日本ヘルスケア歯科学会になってからのコアメンバーなんですけども、なってからはここにいる千草先生と学会誌のほうを担当していました。
会誌のほうがだいぶ軌道に乗ってきたのでコアメンバー2人で担当するよりそれぞれ別々にというようなことで、このセミナーをもう少し充実させていこうということで1月から委員会をつくってやっています。ことしの1月から始めましたので、まだそんなにたくさんはやっていませんが、6月に福岡でウィステリア5.0のセミナーを開催しました。
これは実験的に行った感じですが、7月に自分の関係もあり人が集めやすいというのもあったので同じく福岡なんですけど、勤務医対象のヘルスケアのセミナーというのを開催しています。先月の9月には仙台でセミナーを開催しました。どれも小規模にしてありますが、どうしても今はギャンブルをして大きな赤字を出すというのは避けたいこともあって、今は小規模にしてセミナーを行っています。
今後の予定としましては、また新しい試みなんですけども、11月22、23日と4月23、24日と2回に分けて、大阪で若手の院長を対象としたドクターセミナーを合宿形式でやるというような企画を今進めています。来年の2月に福岡でやったウィステリアのセミナーを関西で行います。来年の7月17日に札幌で1デイセミナーを行う予定が今のところ決まっています。関東でのセミナーも大切だと思っていますし、常設を関東でやりたいという希望も持っているので、それは取り組みとして来年9月に関東でセミナーを開催できたらと今計画中です。
セミナー以外で言うと、この企画育成委員会でウィステリア関連のことは、全て企画育成委員会が引き受けることになりました。ウィステリア関連のことは、企画育成委員会でやっていくようになります。あと、大学でセミナーというのも今新しい取り組みとしてやっていまして、もともと、それぞれ皆さんに特別講師とかそういうので藤木先生が大学に行ってセミナーをしたりしていたと思いますが、私も大学に残っていた人間としてヘルスケアの話をすると、ぜひ医局に来て話をしてほしいと言われることが多くあります。
私も実際に何の関係もなく呼ばれていって話をし、夜は千草先生を呼んで懇親会をしたということもあります。話をしていると、ぜひ来て話をしてほしいというようなことがあります。なので、同級生が教授になっているとか、自分が所属していた医局でそういう話を聞きたいというような話がもしありましたら、ぜひ私のところに連絡をください。
大学のほうから講師料が出せないというようなケースは、このヘルスケア歯科学会から少し交通費など補助を出して、例えば藤木先生に行ってもらう、杉山先生に行ってもらうというようなことも可能です。ぜひ若い先生にもヘルスケアというものを知ってもらいたいと思いやっております。実際、既に動き出していまして、杉山先生には先月鶴見大学に行ってもらい、藤木先生のほうにも岡山大学、徳島大学に行ってもらい、私も来月に九州歯科大学のほうに行きますので、いろんな大学の先生がおられると思うので広がりが出ることを期待しています。よろしくお願いいたします。
以上、報告でした。
議長:それでは田中先生からお話をしていただけますか。
田中:この第2号議案の始めに「事業報告、とくに」とあって、この「とくに」以下のことを今お話したわけです。あとは簡単に上半期の事業報告となりますが、オピニオンメンバー会議の決算総会が3月にあり、次は7月に認証ミーティングの併催セミナーをやりました。これは高木の同級生で大阪大学の村上(秀明)先生という放射線科の先生なんですが、非常に楽しく分かりやすいお話で、ぜひスタッフに聞かせたいというようなセミナーが併催セミナーとしてありました。
認証ミーティングに関しては、斉藤先生のほうから報告をしていただきます。
斉藤:8月11日にステーションコンファレンス東京で第12回認証ミーティングが行われました。4つの医院がエントリーしていたんですが、2つの医院が医院の事情で直前になってキャンセルをしまして、結果的には神戸の西すずらん台歯科クリニックさんと福岡のきむら歯科ドリーム歯科クリニックさんの2つの医院がエントリーをしまして無事に認証を取られました。その際に外部審査員として消費生活相談員の坂本憲枝さんと、弁護士の木下正一郎さんに審査をしていただきました。
今後の課題なんですけども、患者アンケートが義務付けられていますが、患者アンケートの調査結果に対しての評価というのを今までプレゼンではあまりふれていなかったんですけども、患者アンケートの結果に対して何かフィードバックをしたほうがいいんじゃないかというようなご指摘がありましたので、今後の課題としてそういうものをプレゼンの中に入れていただくことを検討しております。
その後、先ほど田中先生がおっしゃったように、大阪大学の村上秀明先生が「改めて歯科エックス線について学ぶ」というミニセミナーを行いました。非常に分かりやすいものでしたので、ニュースレターとホームページにまとめみたいなものがあります。まだ見ていない方は見て参考にされるといいと思います。
以上になります。
田中:先ほどの村上先生の講義内容は、秋元さんが非常に詳しくまとめてくださいましたので、ニュースレター並びにホームページ上でも見ることができます。それから、来年は3月13日にオピニオンメンバー会議が予定されております。併催セミナーも決まっていて、「根面う蝕への理解を深める」ということで長崎大学の久保(至誠)先生をお招きしてお話をお伺いする予定になっております。また、認証ミーティングは7月3日です。ヘルスケアミーティングは、また後でお話をします。大きく決まっているのはそれくらいです。
あと、その議案書の下半分ですが「対予算半期達成率」ということがありますが、それは秋元さんから少し解説をいただきたいと思います。
秋元:こういう会の予算の達成率は、1年間にその行事が前半にあるのか後半にあるのかによって、前半にあれば達成率が高くなるし後半に入ると達成率が低くなる、なので半期の達成率には意味がないんですが、NPO法人とか一般社団の公益的な団体というのは、収支相償と言って入ってくるのと出ていくお金がイコールであるというのが原則なんです。
今までは、ややどんぶり勘定で、予算というものをこの会は研究会の時代からこの17、8年つくっていなかったんです。去年始めて前年度プラス、今期であれば高橋先生が言われたような企画育成委員会というのが今期から始まりました。だから前年度と同じかプラスいくらか、あるいはどこかを減らすかというようなことがありますが、そういうような予算を立てました。
それに対して4ページの右側にあります、予算が幾らで現在が全部50%といのが普通なんです。でも、今言いましたように、その催し物がいつあるかによって達成率というのは変わってきますが、お金が入ってくるのは当然前年末に入ってこなければいけないので、入ってくるほうは100%でなければいけないんですが、出ていくほうは50%でいいわけです。
ここで言えるのは、企画商品なんかの場合は時期的な偏りがあまりありませんので入ってくるほうが50%、出ていくほうの仕入れが50%ぐらいであればいいわけです。若干これが多くなっているのは、今年ウィステリアのバージョンアップをしたということで、その部分の収入が多くなっているということです。支出もウィステリアの関連の協力してくださった外部の方への謝礼というのがあります。内部の藤木先生には謝礼は1銭もいっていません。そういうような事情がありまして少し50%よりも多いというような事情です。
あまりこれ自体には数字の意味がないんですが、今後はできるだけ前年に対してこの事業を厚くするのか、この事業を薄くするのかというような考え方で(予算を立て)計画的な会務の執行をしていくというような意味で今期からはこういうものを掲げさせていただきました。
以上です。
議長:ありがとうございました。ここまでのところでご質問やご意見等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
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田中:ちょっと先ほどの話の補足ですが、ことしのオピニオンメンバー会議の併催セミナーというかシンポジウムをしたんですが、それが『歯科衛生士』の8月号に非常に分かりやすくまとまって掲載されていますので、ぜひそちらにも目を通していただきたいと思います。
議長:ありがとうございました。よろしいでしょうか。雨宮先生、よろしくお願いします。
雨宮:2点ほど高橋先生にお伺いしたいんですが、ことし始まるその合宿セミナーというのが面白いと思うんですけども、今現状として何名ぐらい合宿セミナーを予定されてるんでしょうか。
高橋:丸山先生、いま何人ですか。
丸山:ドクターセミナーは20人を定員にして、今申込みは18人か19人ぐらいです。
高橋:もともと15人ぐらいでやろうと思っていたんですが、すぐに15人は埋まってしまったので少し増やしていっています。
雨宮:内容はワンデーセミナーをもっとかみ砕いて、夜なんかも懇親会を付けてもっと議論していただくという話になってるんですか。
高橋:まず、最初に自己紹介的なところから発表もあるし、4月になったらそれまでの取り組みも発表してもらったりするというような、より実践的な院長をぐっと押し上げてそこのスタッフに見に行ってもらえるようなかたちに持っていきたいと思っています。
雨宮:それは主に、ほとんどが院長先生対象ですか。
高橋:そうですね。その会は院長対象というか、勤務医もありなんですけど。
雨宮:あと、もう一点なんですけど、勤務医の先生方に対するアプローチなんですけど、逆に日本ヘルスケア歯科学会として地域歯科医師会のドクターなり、歯科衛生士会の衛生士を対象にという企画というのは。
高橋:それは全然可能じゃないですか。
雨宮:その場合、日本ヘルスケア学会の名前が出ることになって、例えば補助とかそういうかたちはどういうふうになっていくんでしょうか。歯科医師会だったりとか、衛生士さんを対象にするというセミナーをやるといった場合には、謝礼はどうなりますでしょうか。
高橋:現在、杉山先生とか藤木先生に行ってもらうのも、ほんの交通費ぐらいしか出せないんです。また先生、相談させてください。
議長:他にはございませんでしょうか。よろしいですか。
田中:事業報告で追加がありますので、秋元さん。
秋元:申し忘れました。先ほど田中先生が雑誌『歯科衛生士』に掲載されたという話をされましたが、それは前回の総会のときに歯科衛生士の診療補助業務の問題についての小さなシンポジウムを併催しました。その内容をエッセンスだけですがまとめて、雑誌『歯科衛生士』のほうに掲載しました。
この雑誌の別刷りと、もともと作った診療補助のガイドライン、これは河野先生を中心に田村さんらに協力をしてもらって最終的に仕上げたものですが、この2つをひと月ほど前になりますが全国の都道府県歯科医師会、それから都道府県歯科衛生士会。それと衛生士学校に全部送るのは費用の問題もありまして、大体半分各県で数を選んで送っています。歯科医師会立のところと大学附属のところには全部送りました。あと民間のところは半分ぐらいになっていますが、以上のところに送付いたしました。そのほか日本歯科医師会と日本歯科衛生士会、厚労省の歯科保険課の課長宛に送りました。
つまりこのガイドラインというのは、今の歯科全体の理解からいうとかなり進んでいるといいますか、当たり前のことなんですが、一般の理解が非常に遅れています。というのは、この10月から施行される医療法改正の中の歯科衛生士法の2条の改正で、予防処置に関して歯科医師の直接の指導の「直接の」というのを取るという条文改正があったわけですが、これで相当もめたわけです。
反対している歯科医師会の代議員の人たちは、実はほとんど分かっていないんです。これは保健所に歯科医師が常勤でいない場合でも、歯科衛生士が予防処置をしてよいというもので、「直接の」を取っても取らなくても何も変わらないんです。実際の臨床現場では意味のない項目なんですけども、どういうわけかこれが大きな議論になって、予防指導から「直接の」を取ると歯科衛生士の独立開業が進むんじゃないかというような議論まであって紛糾しました。これぐらい意識が低いと言いますか。
それに対して『歯科衛生士』に掲載した記事を見ていただいたら分かるように、あの話は、実際には医療全体の分野の中で看護師さんが独立してどれぐらい仕事ができるか。特に在宅の現場に訪問看護ステーションから行った場合。それから、今は手術の前と後で周術期の口腔ケアをすることで手術成績が非常に上がることがはっきりとしてきました。特に脳外科や食道その周囲のがんの手術の場合、口腔ケアをきちんとやっているかどうかで術後成績が非常に変わってくることが分かってきましたので、今は保険の中でも導入されましたし、当然ほとんどの病院では術前術後の周術期の口腔ケアをやるように急に変わっているんです。
ところが、誰が指示をするかという法律上の制約は変わっていないんです。歯科医師の指示がないと歯科衛生士は口腔内処置ができないことになっています。これが診療補助業務というものです。診療補助業務というものはそうなんですが、看護師さんに関しては包括的に、つまりざっくりと医師が指示をしたらやってもいい業務はこれですというものを「特定行為」という名前でポジティブリストを作ったわけです。
例えば、訪問をして在宅にいらっしゃる患者さんが脱水であるという診断をしたら、これに対して水を補給するとか輸液をするということが許されるわけです。この脱水であると判断をする行為というのは医師の独占業務です。歯科医師の場合もガイドラインで皆さん驚かれた人もいると思いますが、局部麻酔、縁下のスケーリング(歯石除去)のための浸潤麻酔は歯科衛生士はしていいけれどもペリオ(歯周病)に関する診断は歯科衛生士はしてはいけないというように、診断業務というのは医師歯科医師の独占業務です。
独占業務なんだけれども、いったんざっくりと見たら、あとは看護師さんに任せていいという方向に進んできているわけです。そうでないと在宅の現場で動けないことがあるわけです。そこまで進んだのは、特定看護師という資格を設けようという議論があり、だいぶ後退したのが特定行為なのですが、そこまで医療全体は進んでいますが、歯科衛生士に関しては、ほとんど歯科医師会からも歯科医学会からも全く提案が出ていません。
そういう全体のことを考えて、まず今回は歯科衛生士さんに、これだけのトレーニングをしたらこれだけのことはしてもいいということを、はっきりと自分たちで決めておこうというのが河野先生を中心にしてやったガイドライン作りなんです。
ただ、現実はどんどん進んでいまして、あのガイドラインを持ってしても、病院にいって、そこに歯科医師がいない場合は非常に難しい。歯科医師の指示がないのに何かをやらなければいけないわけですから、非常に難しい状態になるわけです。今例えば東京歯科の衛生士学校なんかは、卒業した人の半分以上は病院に勤務しているんです。それぐらい病院で歯科衛生士さんの求人が多いわけです。
それで歯科医師を雇えという話を歯科医師会はするんですが、歯科医師を雇って歯科医師が病院の中にいると、歯科を標榜しなければ診療報酬は取れない。標榜するということは外来患者を取らなければいけなくなる。外来の患者を取っていると院内の周術期の口腔ケアがうまくできないというようなことがあって、法律上の整備をもっとしていかなければいけないという議論が必要なわけです。歯科医師会も、歯科医学会も全く理解していない。歯科衛生士会においては、ほとんど歯科医師会の後ろを金魚のフンみたいにくっついている以外は何もしないというのが今の歯科医療界の現状なわけです。そういうことを分かりやすく整備したいと考えてあの企画をしました。全然分かりやすくなく難しい話なんですけども。それは、われわれの現実と法律がだいぶ離れてしまっているんです。
看護師さんに関しては、特に「特定看護師」と言いまして、医師とは別に看護師だけで開業するとか、あるいは診療報酬を請求するとか、アメリカであるようなナースプラクティショナーと言いますが、そういうものをもっときちんと導入するべきだということで、大分看護大学なんかは6年制にして、資格ができる前から教育を始めているわけです。
そのぐらいに看護師さんの医行為は議論されています。同じように衛生士さんの歯科医行為、すなわち診療補助なんですけれども、それをもっともっと拡大すべきだというようなことを現在高齢化が進む中で議論をしているところです。
本会においては、やはりその先鞭(せんべん)をつけるべきだというところでこの企画をしました。それをたくさんのところに送りました。送った反応については、ホームページ上にQuestion & Answerのところを設けておりますので、そこで意見を言ってくださいとなっております。
皆さんホームページ上で「歯科衛生士ガイドライン」というところを歯科衛生士のところから引っ張って見てもらえればそこにいきます。これも現在のところ反応がないんですけれども、一応こちらとしては、まずボールを投げたと。こういうことを私は時間を見て厚労省にも議論して持っていこうと思います。
言われれば彼らも問題意識はありますのでやらなければいけないと思っているんですが、歯科の分野でこの歯科衛生士問題は誰も言わないという現状です。歯科衛生士の中には、そのシンポジウムに参加をした医科歯科の同窓会の会長で白田さんなんかがだいぶ激しく言っているんですが、ほとんど響かないというのが現状です。今度の歯科衛生士会の会長さんも理解していただくのに時間がかかると思います。それが歯科衛生士の現状です。皆さんご認識をしていただいて、どうやったらもっときちんと患者さんに対する診療行為を、責任を持ってできるのだろうかということを考えていっていただきたいと思います。
以上です。
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田中:事業報告の中でのお話ですけども、最初に杉山先生からお話がありましたけども、東京歯科大の上條教授との調査研究事業が進んでいますが、その件に関して質問があるということで、この時間を使ってお伺いしたいと思います。
半田:まず、私のところもなかなか進んでいないのが現状です。まず、杉山代表も、最初にその上條先生のアンケートを言われたんですけども、それはヘルスケアとしてもオピニオンメンバーがたくさん関わっていると思いますが、意義と言いますか、どういうふうにそれが私たちのヘルスケア歯科学会のほうに戻ってくるのか。まずは、それからお尋ねしたいと思います。
杉山:この調査は、要するに10年間のメンテナンスの成果というものをきちんと出したいというところが一番最初の目的です。もうひとつ先の目的がありまして、それは、そういうメンテナンスをやることによって全身の健康に対していい影響を及ぼしているのではないかということの検証です。
ただ、このへんの検証の仕組みがなかなか難しいと思っていたんですが、これは上條先生からのアイデアで、実は保険証番号を通して医科のレセプトにアクセスができるという法改正がなされたので、それを活用したいということで、この研究がそれを使って最終的にはやろうというところです。
半田:ありがとうございました。あと2点お願いします。1つは、これはまた議論にも出ていたんですけど、患者さんの同意書の中で署名の横に「印」という欄があって、これが署名があればいいのか、印鑑が必要かということと、あと代理の方たちというのは、実際にそれを例えば高齢の方とか何かのときには必要なのか、そういうことですよね。
杉山:この書式も、結局東京歯科大の倫理審査を通さなければいけないわけです。それを通す基準というのが非常に厳しいらしく、印鑑がないといかんと。
前にやったQOLの調査だと、あのときは倫理審査を福岡歯科大の内藤先生のところは通ったんですけど。各大学の倫理審査会によってかなり差があると。東京歯科大の倫理審査会の場合は、こういうフォーマットじゃないといけないということがあって、どうしても「印」を書類上に付けておかなければいけないんですが、実際には必ずしも必要はないです。
半田:分かりました。あと「30」という数字が出ているんですが、なかなかうちでは30をめどにというのが。半分の30ぐらいでもという話を少し聞いたことがあったんですけど、この60というのは結構厳しいというのがあって、そのへんは。
杉山:これは、もう各医院の事情によって協力していただける数がもちろん多ければ多いほど非常にありがたいんですけど、それぞれに事情があると思いますので。ただ、この患者さんはやりやすいからやろうということだけではやらないようにということです。
ただ、うちの例ですと、うちは今午前と午後2人までにしようと、毎日受付で、予約が入っている人を受付がピックアップして、上から順番に下に2人。3人目はもうやらないと、そういう機械的に割り付けをしまして受付で書類をお渡ししてやりますという方のみにやる。そういう機械的な振り分けであれば問題はないと思います。
半田:分かりました。他でも河野先生のところもたくさんされているという話を聞いたんですけど、やり方とかはどんなふうにされているのかを、河野先生少しお聞かせいただければと思います。
河野:マニュアルに書いてあるとおりにはやっているのですが、あれを真に受けるとすごく大変になりそうだったので、うちの医院では少し簡略化というか、スタッフの負担にならないようなやり方を考えてやっています。こういう調査をするといったときのスタッフの反応は、「何これ、こんなのやるの」という反応ですが、あれを見るとすごく大変そうなので、それが当然だと思います。
うちでは、まず対象者を全部リストアップして受付に渡しました。その対象者の方が来たらアポイント帳に印を付けてみんなが分かるようにすると。診療時間を削ったりしたくはなかったので、診療が終わって会計が終わってからにしました。あと待合室にポスターが張ってありまして、結構皆さんそれを見ていて、中には「私、あれをやらなくていいですか」というような問い合わせも多いそうです。
終わってから、実はあそこにポスターが張ってあるように、アンケートに協力をしていただきたいんですけどもいかがですかと聞くと、時間がないからできないとか、面倒くさいから嫌だという人はもちろんそこで終わりますが、今までほとんどの方が快諾してくださっています。10年間メンテナンスに来ているような方ばかりですから、ほとんどの方が快く待合室でご自分で記入をしてくださっています。
記入をしていただきましたら回収をし、その後の調査票ですが、口腔内の状況については私が全部自分で記入をする。慣れてくると10分はかからないぐらいなので、手の空いた隙とか昼休みを使って私のほうで全部をやっています。恐らくスタッフは、ほとんど何もしていませんが、そんなことを言うとまた怒られてしまいますので、田村さん、どうでしょうか。
田村:してません。
杉山:うちの蓮見から状況を少し説明します。
蓮見:まず受付の方がリストアップをしてくれて、河野先生のところみたいにアポイント帳に印が付いています。それを見たら準備をしなければと思い、同意書と審査票とアンケートを自分たちで用意して手元に置いておくようにしています。
受付の方が、患者さんがお見えになったときに、その調査があるので説明の紙を読んでおいてくださいと、やるかやらないかは衛生士のほうから聞きますと言ってくださるので、患者さんが入ってきたら「どうしますか」というお話をしています。
一応、読んでやるという方と、これはほんとに個人情報は大丈夫なのかという方がいらっしゃるので、この紙に書いてあるとおりにお話をしているのが、口腔内の診査をしますということと、あとは保険証の番号が必要ですということは、きちんと私のほうからも説明をして、「いいよ」と言ってくださった方には同意書とアンケートと口腔内診査をしてもらっているようなかたちです。そんなに診療の時間がつぶれるということはないんですけど、手間は掛かるかと思います。アンケートは診療が終わった後に。
杉山:たいてい会計が終わった後に。
蓮見:受付の方が会計の前に済ませてもいいと言ってくださったので、お会計の前にアンケートは全部書いてもらって、その後にお会計をしておしまいというかたちを取っています。何となく流れが決まっているので、その流れにのっとってやっているようなかたちです。あまりその流れ以外の方はいらっしゃらないので、うまく流れには乗っているというところなんですが、いかがでしょうか。
杉山:口腔内の状況記入は、後で私がカルテを見てやるんですが、それは診療内です。それは河野先生のところと同じです。いったん3、4件やって流れができると、あとはその流れで。それは各医院でたぶん状況が違うと思います。
半田:分かりました。どうも、ありがとうござました。
議長:田村さん、いいですか。
田村:うちも診療が終わってから、会計待ちの間に受付が対象の患者さんに勧めて、同意が得られたら待っている間に書いてもらうという感じで、私は何もしていません。受付が勧めてくれて、後で院長がたぶんそれを記入していると思いますので、衛生士は何もしていません。
議長:ありがとうございました。河野先生、補足はよろしいですか。
河野:はい。
議長:それでは、お弁当も配られていますので、どうぞお召し上がりになりながら進めてまいりたいと存じます。
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●第3号議案 ヘルスケアミーティング2016の企画
協議事項、3号議案と4号議案で、まず「ヘルスケアミーティング2016の企画」でございますが、こちらも担当の方です。
田中:第3号議案、「ヘルスケアミーティング2016の企画」ですが、来年の話なんですけれども、ここに日程が10月9、10日と書いてありますが、会場の川口フレンディアが取れませんでした。すみません。
なぜ川口フレンディアかと言うと、ここ秋葉原にしても都内でやるのは非常に便利なんですけども昨今非常に高く、ここを2日借りれば百何十万という費用が出ていくわけです。これが公共のところだと、また1年前に借りられるところが少なかったりします。大学の施設もそうです。大学の施設の場合は4月にならないと申し込みができないとか、いろいろとあって1年前に決めようとすると、どうしてもこのような価格の高い便利なところか、少し離れたところになってしまいます。
ちなみに川口フレンディアは、ここから京浜東北線で17分、日中に快速だと12分で着くのでそんなに遠くはないんです。埼玉県で遠く感じるんですがそんなには遠くないです。ここから20分ぐらいとざっくりと考えていただければと思います。品川とか羽田からは少しプラスアルファになります。
川口フレンディアの場合は、2日間借りて大体ここの3分の1から4分の1の費用で済みます。公共の施設なんですけれども。もっと離れればまだあるんですけども、やはり限界くらいだろうということで、一応来年この10月9、10日は連休だったんですけども、11月の毎月1日が翌年の同月分の予約申し込みになります。11月1日に私とか岡本先生がまたチャレンジをしまして、11月の第1土日を取ろうと思っています。申し込みで場所が確定したら、早急にホームページ上やメーリングリスト上とかでお知らせをしたいと思います。
日程はそんな感じなんですけども、企画内容については、1日目は企画育成委員会を中心に、ドクターセミナー参加者等の発表など。2日目がメンテナンス中に起こる種々の問題、歯頸部周囲の変化にポイントをあてて。これは来年のオピニオンメンバー会議の併催セミナーは根面う蝕をやっていますけども、そこの流れもありましてこのようになりました。
それから1日目と2日目は、それぞれ担当の先生からお話をしていただきたいと思います。1日目について、高橋先生お願いします。
高橋:まだ確定しているわけではないんですけど、ドクターセミナーという泊まり込みのセミナーで、いろんな取り組みをみんなでやっていくので、そこからドクターセミナーは院長だけなので、スタッフの人と一緒に取り組んで発表できる場をこの1日目の前夜祭的なところに持ってこられたらと考えて企画をしています。よろしくお願いします。
議長:ありがとうございました。杉山先生、お願いします。
杉山:正直、具体的にまだ決められていないところです。ただ、このPart1のテーマで1日やるのは非常に長いと思っていまして、歯頚部の根面の露出によるものが長期メンテナンスで、高齢者が多くなってきますといろいろと問題が出てくると感じているので、そこらへんを少し整理できたらと考えています。
恐らく招待講師を呼んで、ただ、1日は長いのでその機会。このPart2で認証診療所の実績報告とありますけど、これは何?
田中:案です。まだ具体化していないです。
杉山:ここは具体化できていませんが、要するに、1日目の午後と2日目の午前、2日目の午後と3つのPartでやろうと思っています。
あと、もう一つ出ている話が、実はリスクアセスメントについて、カリエスリスクのアセスメントについて、改めて整理をするという案です。
リスクアセスメントが大事だということには変わりがないんですが、そのやるタイミングだとか、そのリスクアセスメントの内容とか、その評価をどう考えるかということについてだいぶ変わってきています。ヘルスケア歯科学会としてきちんとそれを総括していないんじゃないかというところもあり、これは一回やるべきだと思っています。
ただ、そこらへんを今考えているところで、7月、8月ぐらいから来年のテーマを決めなければというところで話は出ていたんですが、きょうの準備のために時間が取られてしまい具体化できていないところで申し訳ないんですけども、このヘルスケアミーティングが終わったら早速具体的なところに取り掛かりたいと思いますが、このあたりを考えています。何か他に良いアイデアがあれば皆さんの意見を聞きたいと思います。
議長:ありがとうございました。
田中:なぜ、きょうそんなに決まっていないものを持ち出してきたかと申しますと、大体翌年のヘルスケアミーティングの1年くらい前にコアメンバーが普段のウェブ会議をやっているんですが、これを1日話し合うためにリアルコア会議ということで集まるんです。これが今月の25日に予定されております。その前に、一応このメンテナンス中に起こる種々の問題、歯頸部周囲に問題をあててというのがざっくりと決まっているんですが、ぜひここでそういうのをやるのであればこういう先生の話を聞きたいとか、ここに半日あるならこういうのをやったらどうかとか意見をオピニオンメンバー会議で出していただいて、それも踏まえてリアルコア会議で集中的に来年の企画について詰めたいと思い、きょうこのお話を持ってきているわけです。よろしくお願いします。
議長:今、この場でご意見が出る方はいらっしゃいますか。お願いします。
林:栃木県の林です。今回の、臨床データを振り返るというテーマで、私はきょうすごく楽しみに来ました。もしかしたら、そういうものもあるのかもしれないんですけど、私は少し認識不足でよく分かっていないところがあります。
例えば臨床データを取るのも初診時に取るデータは何とか、例えばメンテナンス時には何年に一回口腔内写真を撮るべきだとか、そのへんがあいまいでよく分からなくて、今回もポスター発表をするときにどういうふうな基準というか、この学会でガイドラインではないんですけど、こういうふうにやるべきというものがあるといいのですが。
例えば最初に撮るレントゲンはパノラマじゃなくて10枚法じゃないと駄目とか、何かそういうものがあるんでしたら教えていただきたいです。もし決まっていないのであれば今後そういうガイドラインがあると、私たちもこれに基づいてメンテナンスをしていってデータを取っていけばいいというのがあるとすごくいいと思っていました。そのへんはどうなのか教えていただきたいと思います。
議長:どういたしましょうか、コアメンバーの先生でお答えをいただけますでしょうか。
杉山:基本は、要するに認証を取るというところで症例を出しますよね。そのときに今の基本はやはりデンタルレントゲンの10枚法で、成人の歯周病か小児う蝕のコントロールの2つということで、そういったところがスタンダードだと考えております。ただ、それを書面に書いて出してはいないことは確かです。
ですから、例えば新しく入った先生方が誰かの知り合いで入ってくれば周りに聞けば分かるとは思いますが、飛び入りで入ってきたときには戸惑うと言われると確かにそうかもしれないということはあります。
それから、何年に一回その後のメンテナンスとか再評価、メンテナンスが中断後の場合などいろんなバリエーションがたぶんあると思いますが、各医院で決まり事が恐らくあると思います。例えば私の医院だと成人の写真は2年に1回、小児の場合は毎年、撮る方法はこうだとか。それからどういう間隔でやるとか。うちだとレントゲンは、成人は大体4、5年に1回、小児は1年に1回です。リスクアセスメントは、どういうタイミングでどういうふうにやるかとか。
ただ、それをここに集まっている医院が全部同じかと言うと、決してそうではないと思います。それを統一するべきかどいうかというのはまた違うと思いますけど、ある一定の範囲のコンセンサスみたいなものが確かにあると便利だとは思います。考えてみます。ありがとうございました。
議長:河野先生、お願いします。
河野:よくヘルスケア診療というのは何なのとか、どういうのと言われたときに、とっさに答えられないという話はコアメンバーの中でもあり、何か分かりやすいようなものを作らないといけないとは言っているんですけど、そこは進んでいません。
例えば杉山先生とか田中先生とか、臨床経験が20年や30年になる方はケース・バイ・ケースだとか、自分の医院で決めればいいという話なんですけど、そうじゃないこれからヘルスケア診療を始めよう、あるいはやってみたいという方が一体何からどういうふうに始めたらいいのかということに対する答えというのをわれわれは持っていないことは確かなんです。ですから、そういうのをきちんと作るべきだという議論からどこかでやっていきたいと思います。貴重なご意見をありがとうございました。
高橋:今お話があったように、逆に定義をすると、こういうふうにしなさいと、こういう定義をしてしまったことによって逆にそれがマイナスになるというか、説明することができないところが、少しいい加減な面もあるんですけども。定義をしてしまった時点で逆に違ってくるケースもあると思うんです。
だけども、やはり若い先生方にとっては何か基準が必要ということもあるので、各年代の先生によって捉え方とか経験の差もありますので、定義することの大事さと、それの裏腹の危険性みたいなこともあるので、逆に定義をしないことが僕らが続いている、要するに定義できない面があるんです。
でも、分かりやすく言うと定義してしまったほうが分かりやすいし取り組みやすいんだけど、ただ取り組んだからと言ってそれが続くかというと、それには弊害もあって長続きしないで結局はこちらに戻ってくる先生もいらっしゃいます。なので、そういうこともあるので難しい問題ではありますが、やはりこれから取り組もうとしている先生に対しては、何かしら参考になるようなことが言えればいいと思っています。
高橋:すみません、もう一つ。そういったコンセンサスの話をするときは、ある程度それぞれみんな決まったものがあるんですけど、それが変化をしていくのがヘルスケアというか、藤木先生とか特に考えられて例えば毎年口腔内写真は撮っていたけど、2年に1回でも振り返っていると大丈夫だということが分かってきたというようなことを聞くわけです。それはどうしてかというようなことをいろいろと教えてもらったりしているので、そういうコンセンサスが決まったことから、プラス奥にあるものというのを11月に大阪でやっていますので、よろしくお願いします。
林:私が言いたかったのは、例えばこういうデータを振り返るとか、みんなで症例を出し合うというときに、私も認証を取っているのであれなんですけど、認証を取るには一つのこの基準があるとか、そういうのがありましたよね。
だから、例えばみんなで症例発表をするときには、やはり一つのデータじゃないですけど何かデータがそろっている症例を出しましょうとか、そのためには何年に一回の口腔内写真がそろっているとか、デンタルであるとかというのも一つの分かりやすさだと思います。
僕たちはそれに基づいてケースを作っていけばいいとか、日々の診療でスタッフに指示をするときに、もう3年たっているからやろうというかたちがそれぞれの医院であると思うんですけど、この学会としてその定義があるともう少しみんなでケースを出して話し合えるのではないかと思ったので、そのように考えてみたいと思います。
田中:意見をありがとうございます。おっしゃっていることは本当によく分かります。私も最初にヘルスケアに入ったときにほぼ同じ思いを持っており、うやむやとやっているうちに今になっているというのがあるんですが、分かりにくいのは分かりにくいので、せっかくこの会議の場で提案をしていただいていることですので、真面目に検討をしていきたいと思います。
こうでなければ駄目というのはできなくても、例えばここに集っている歯科医院の中でアンケートを取って、大体このへんに収まっているというのでもいいでしょうし、認証を取った医院のアンケートでもいいでしょうし、そのへんはコア会議で必ず検討をさせていただきます。次か次のウェブ会議の議事録等を見ていただければ少しは進んだものが見られるようにします。その際は、ぜひまたご協力やご意見等をお願いします。無駄にはしません。
林:ありがとうございます。
議長:活発なご討議をありがとうございます。来年のヘルスケアミーティングにつきましては、メーリングリスト等でまたご発言をいただけましたらと思います。
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●第4号議案 認証診療所の情報公開のあり方について
議長:時間もだいぶ押してまいりましたので、第4号議案、認証診療所の情報公開のあり方について、こちらは秋元さんよろしくお願いします。
秋元:認証診療所のことをここに取り上げたのは、2つの理由があります。1つは、ヘルスケア歯科学会が知られていないところがありますが、ヘルスケア歯科学会の認証診療所というものの認知度が低い、これをどうにかしなければいけません。そうしないと認証申請をする診療所も少なく意欲も少ないということが1つあります。
もう1つは、そのためにどういうふうに知らしめるかという話なんですが、これはコアメンバーの中で杉山先生が、とくかくもっと告知をちゃんとしなければいけない。1つはホームページ上でもっと分かりやすく認証診療所が分かるようにする。認証診療所が分かるようにすることによって、患者さんが分かった上でその診療所に来るようなそういう仕組みをつくっていきませんかという提案をされたんですが、それについてもコアメンバーの中でもはっきりとした答えが出ていません。
そもそもがこの認証診療所をスタートするときに、転勤や転居によって患者さんが同じような診療を受けたいときに安心をして紹介することができる紹介ネットワークをつくっていこうというような出発点がありましたので、それだったらそんなに外に向かってやることはないんじゃないかという雰囲気があるわけです。
この2つの問題ですが、つまり認知度が低い。これは大体皆さん同じだと思うんです。問題は、その認知度を高めるべきかどうか。それからもう一つは、どのようにして認知度を高めるべきか。私が勝手に例を挙げていますが、この認証の仕組みは、非常に透明性が高くて質の高いものです。どういう意味かと言いますと、まずどの診療所も客観的なご自身の診療データを基にプレゼンテーションをしています。自分の思いを話しているわけではなく、客観的なデータを基にして発表をしています。
次に、その発表をする場は、認証ミーティングは公開です。しかも、そこには歯科のことについて必ずしもよく分かっていない外部委員が含まれています。そして、その前提として認証申請をするときに、患者さんに対してアンケート調査のようなことをしています。その全てを一般に公開しているわけではありませんが、認証ミーティングの際には審査員にそれを資料として配布しています。
今挙げただけでも3つあります。つまり客観的なデータがあり、患者さんに、事務局に送付する、第三者に送付するというアンケート調査をし、そして、それを公開の場で外部委員を含めて評価をしていくというような。その外部委員も今年であれば木下さんという弁護士は、患者側の訴訟専門で、ある意味では歯科医師に対して非常に厳しい姿勢を持ってきた弁護士をわざわざ呼んでいるわけです。お仲間を呼んでいるのではないんです。それから、もう1人の消費生活相談員は、この間のインプラントの問題があるように、あれは国民生活センターが問題にしなければいけないと言い始めたときから読売新聞が書いて、インプラントというものをもう一回どうなっているのかという話になったわけです。例えばこの間から問題になっている滅菌消毒なんかでもタービンハンドピースというものは、きちんと患者ごとに交換をしているのだろうかというような問題が世の中から訴えられることによって、歯科医療界はそれに答えなければいけないということがあるわけです。このヘルスケアの認証という仕組みは、そのような透明性の高い優れた認証だと思います。もちろん、もっと高いレベルが必要なんじゃないかというような議論もありますが、まずはスタートラインにおいて非常にそのような透明性の高い仕組みを持っています。
ですから、この透明の中身をもっと公表していくということは、大きな声で「これはいいんだ、いいだ」と言わなくても当然社会的な評価を得られると思います。そういう意味で認証診療所の中で、私のところは公開してもいいというところをどんどんと公開していく、それをご自身のホームページとリンクするようなかたちでしていくというようなことも一つのアイデアではありませんかということです。もちろん、いろんなアイデアがあると思います。そのことによって認証診療所というものの社会的認知度を上げていく。
つまりこの認証診療所に関しては、たくさん広告をすればいいとか、目立つようにホームページを作れとかそういうことではなく、この認証の仕組みの質の高さをちゃんとアピールする必要があるのではないかと思います。
そういうことについてもう少し皆さんはどう考えていらっしゃるのか、今後認証診療所の情報公開をどういうふうにしていくべきかということのご意見をいただきたいという提案です。
杉山:一点追加です。認証の制度を私も第1回のときに受けましたが、その後10年ほど前に患者さんのアンケートを導入しました。実は、ここは大きな変換点です。今秋元さんがふれなかったので追加させていただきます。
最初は、患者アンケートはありませんでした。ただ、患者さんの評価をするという場合に、第三者機関のことは私たちはそんなに高価なことはできないので患者さんに直接アンケートをしました。それも恣意的ではなく一定の期間に全員にやりましょうという方式を取っています。これが非常に今の新しい認証制度のキーポイントだと思います。
もう一つは、今多くの学会が認証とか認定ということを会のドル箱にしているという現状にあり、ヘルスケアは決してそういうことはやっていません。秋元さん、認証の費用は幾らでしたか。
秋元:アンケート調査に1通あたり送料込みで200円くらいだったでしょうか、それを頂いているだけです。他の費用はいりません。
杉山:なおかつ更新料とかもありません。ですから、そういう会の維持のために認証とか認定をしているのでは決してないところがあります。
もう一つ、いったん認証を取ったけども認知度が低いと、だんだん自分が認証診療所だという意識が低くなってしまうのではないかということを危惧しています。やはり認証というものが知られてこそ、それをきちんと維持して自分たちのサービスを良くしようという意識が働くと思うので、そういう意味では、私はもう少し認知度を上げることの何らかの工夫が必要ではないかということを追加させてもらいます。
議長:ありがとうございました。認知度を高める法則についてというお話でございますが、ご意見がございますか。雨宮先生お願いします。
雨宮:今お話をしていただいたのは、外部的な認知度を上げるというお話だという認識はしました。やはり外があったら中もなければいけないと思うので、中のほうで認証歯科医院、われわれとか衛生士のほうの認知度を高めていき、それで認証試験が増えていくことのほうが第一優先ではないかと考えました。
ことしも私は認証ミーティングを見学させていただいたんですが、参加をしていただいている見学とかオーディエンスが少なかったという印象があります。たまたま私が認証をいただいたときは、樽見先生とか藤原先生とか、あと静岡の先生方がいらっしゃって100名を超える方がいてくださり結構盛り上がったんですけども、ことしは割とこじんまりとして、逆にこじんまりとしたことによっていろんな追求ができるとか楽しく認証ミーティングができたのではないかと思います。
それもいいことだと思いますが、やはりそれはあくまでも参加をしていただいている方々がコアメンバーの方だと認証委員に関係された方がほとんどだったような記憶があります。そうなりますと、やはりここで認証を取ったことのある委員のスタッフさんは認証というのはどういうものかということは分かるかと思いますが、それ以外のスタッフさんであったり先生だったりする場合は、認証自体があまりよく意味が分からないという、制度自体もよく意味が分からないという先生やスタッフも多いと思います。
逆に認証を取るためには、やはりスタッフから、下のほうから盛り上げていただかないと、やはりそれはこれを頂くという認定になるというのは、非常に難しいことだと思うので、各医院のスタッフさん方が先生に認証を取りましょう、頑張ってやりましょうという声かけをしてくれるようなシステムをつくるのがいいかと思います。
例えば具体的に言うと、きょうみたいな総会をA会場、B会場に分けたりして認証ミーティングをやるというのは少しハードルが高く時間的にも難しいかと思いますが、前年度に取った先生方の報告であったり、認証を取って変わったところがあればそれをモデファイトしてもらって発表していただくとか、どんなかたちでもいいのかと思います。
やはりそのようにしておかないと、われわれは認証歯科医というものがどういうものか分かりますけども、一般の多くの会員の先生方や多くの衛生士の方は、ニュースレターで見て「そうなんだ」ということしか分からないと思います。
あと、これは少しいやらしいんですけども、先ほど田中先生がおっしゃられた認証を取った医院のその後というようなテーマでやっていくと、恐らく認証を取られた先生方で経営的にいろんな面でスタッフさんの数であったり、ユニット台数であったりということで、いろんな条件で縮小していくという方もいらっしゃいますけども、多くの先生方は少し増やしていくという先生方が多いのではないかと思います。それは、やはりそれぞれに認証を取ったことによってスタッフの意識も上がっていくし、自分の意識も上がっていくことによって、それを患者さんにフィードバックできたということがあるのではないかと思います。そういったところもアピールをしていく必要も内部的にはあるのではないかと思います。
田中:ありがとうございます。雨宮先生、いつもメーリングリスト上でも意見をいただいたり、ありがとうございます。
この話は外向けのほうではなく内向けにもう少し認知度を上げる方策として、スタッフ向けには総会というかヘルスケアミーティングの一部を使って、認証を取った歯科医院が認証プレゼンそのものでもいいし、その後のことも含めて皆さんに状況をお知らせするというのがあればいいのではないかというお話ですよね。
もう一つは、院長向けというかそれに付随して認証を取った後、また、その後何年かたってどうなったのかということで、認証医院である歯科医院がどういうふうにして取り、その後はどうなっているのかというのを会員向けに知らせる場があったらいいんじゃないかという提案でよろしいですか。分かりました。ありがとうございます。
他には何かご意見はありますか。まだ20分弱ありますので、それでは中本先生どうぞ。
中本:神戸市の中本です。ことし1月に認証で認めていただいたものです。認証ミーティングが終わって1カ月ぐらいしたら認証の証明書が来てすごく嬉しかったんですけども、来た当日にすぐに待合室に貼りましてどうかと思い見ていたんですけども、何の反応もやはりありませんでした。
東京でやったのでスタッフも予算の加減で連れていかず、認証のスライドも自分1人で診療が終わってからこつこつと作ったので、スタッフも全く認証に受かったという自覚も何もない状態でたてだけが置いてあり、患者さんも眺めるんですけど、たぶん何のことか全く分かっていないと思います。あまりにもメリットがなさすぎるので、やはり若い僕らとしては、これからもっと若い人たちが取っていくに当たってもう少しメリットを出してもらいたいと思います。
具体的な方策としては、これは認証診療所が患者さんに向けて宣伝できたり、それで患者さんが来て、この試験は信頼できるので来てもらえるとか、そういった何か一つ、もう一手間あるものが頂ければと思います。
例えば、先ほど秋元さんが言われていた、その内容を書いた、こういう厳しい審査の下に認証診療所を受けたというような。私もそんなに厳しい弁護士の方が来ていたというのは知らなかったので、そういうような宣伝ポスターを一緒に認証の賞状と一緒に付けていただくとか、会長の推薦文みたいなものを顔写真付きでホームページにも飾れるような、そこまでしていただけるとかなりメリットがあるのではないかと思います。
どちらかと言うとヘルスケアに入会してから認証を知るのではなく、認証診療所に興味があるので入会をするというぐらいに宣伝をしていただけると本当に助かります。以上です。
田中:ありがとうございます。認証の盾が届いたけども何も変化がなかったということですが、確かにうちの場合もそうでした。できればメリットを感じられるような、それから先ほど言っていたのが、若い先生方が入会してから認証を知るのではなく、認証を取りたいから入会をしてくるような方策。具体的には患者さん向けに何か宣伝できる、患者さんがそれを見てたくさん来てくれる、盾と一緒に認証システムの内容で、こんな厳しい認証を通ってきていますというような宣伝のポスターがたてと一緒に付いてきてくれると来た患者さんは分るし、それがまたホームページにもあったりするといい。杉山先生の顔写真入りの推薦状があるとなおいいという、具体的な提案をいただきましてありがとうございました。一応全部メモをしました。
杉山:積極的に外部に発信をしていただきたいということですよね。
中本:そういうことです。
杉山:コアメンバー会議の中でもそういう話が出ると、必ずそもそもこの認証制度というのはそうじゃないんだという意見からいつも先に進まないんですけど、積極的な外部に対する発信が必要だという意見ということなので、そういう意見をたくさん言っていただけるとわれわれも進む方向をシフトすることができますので、ぜひたくさんの方にご意見をお願いしたいと思います。
林:大阪の福田デンタルクリニックの林と申します。うちは少し特殊でして、ヘルスケアを知ったのは院長からなんですけれども、スタッフが毎年認定衛生士を取るために頑張っており、うちは衛生士がすごく頑張っている医院なんです。
今回、認証診療所の情報公開ということなんですけども、うちは認証を取っていないんです。衛生士としてはヘルスケアをすごく押していますし、そのようにやっていきたいと頑張っているんですが、このような診療所でも情報公開をしてもいいんでしょうか。
今回ホームページを新しくするのにヘルスケアというのはこういうことをしていて、認定衛生士はこういうふうだよというのを入れようと考えているんですけども、もし学会としてヘルスケアの認証診療所でなければ、そういうのはあまりよろしくないということであれば教えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
議長:ありがとうございます。
杉山:認証医院ですよね、認定衛生士ではなくて。
林:はい。
杉山:認証医院は、ヘルスケアのホームページに約50弱があって、やはり一定の審査、認証ミーティングで70点以上を取らないと認証診療所にはなれないので、そうでないと「うちは認証診療所です」とは名乗れないということはあります。それでよろしいですか。
田中:そうじゃない。認定衛生士についてです。
杉山:認定衛生士は、いいと思います。
林:ヘルスケアのうちは認証診療所ですということではなくて、ヘルスケアがこういう活動をしていてというのを皆さんに知っていただきたいので、それでそういう内容を入れたいと思っていて、私たち衛生士はこういう活動をしていますというのを入れたいんですけれども、それは大丈夫でしょうか。
杉山:いいと思います。別に隠しているわけではないので、公開してやっているわけですから、こういうものをヘルスケアでやっていますというのを紹介していただくことは全然いいと思います。
林:ありがとうございます。
杉山:問題はないです。
田中:ぜひ認定衛生士もしっかりアピールしていただいて。さっきの話ではないですけど、認定衛生士になりたいから入会する人が増えてももちろん大歓迎なわけです。
鈴木正臣先生のところみたいに歯科衛生士の妹さんが先にヘルスケアにいって、お兄さまの正臣先生をたきつけて変えたという事例もありますので、ぜひどんどんとやっていただけたらと思います。
議長:そうですよね。ありがとうございました。
杉山:各医院がどういうふうに捉えるかは、各医院の事情があると思うんですけど、この制度は実際にあるわけですから、それをどういうふうに各医院が広報をするかは、それぞれの医院の事情です。
上田:埼玉のさくら歯科医院の上田と申します。先ほどの雨宮先生と中本先生のお話の補足としてなんですが、対外的にアピールをするかどうかといったときに、私の知っているヘルスケアの先生の中で患者さんが来なくて困っている先生はなく、どちらかと言うと予約が取れないぐらいの先生が多いので、そんなに対外的にたくさんアピールをして患者さんがこれ以上千客万来で倍増しなくてもいいというイメージがするので、あまり宣伝活動をしなくてもいいのかなというのはあります。
しかし、衛生士さんが欲しいというところは何となく共通している気がするので、さっき対外的にどこにアピールするかという話をしたときに、先月も中本先生と田中先生に大学に行ってもらってとか、これからもやっていくと言われていましたけど、あと衛生士学校とかにアピールできるんだとしたら、衛生士さんが就職をするときにヘルスケア学会の認証の診療所に就職をしたいという状況になるとか、ヘルスケアの認証診療所になっていれば毎年衛生士さんの募集が10人、20人と来て選ぶのに困ったという感じになれば、それはみんなが喜ぶのではないかと思います。一応補足としては、衛生士さんに認知度が高まるといいのかと思います。
杉山:ありがとうございます。ここからは私の個人的な意見になりますが、認証診療所というのはヘルスケアのスタイルというか方式の入り口ですよね。その認知度を高めると同時に、やはり最終的には患者さんのために役立っていることが非常に重要で、それが今回の非常に重要なテーマで、この2日間のメルスケアミーティングだと思います。結果がきちんと出ているのかどうかというところは、それは何を持ってアウトカムとするか、最終的には認証診療所というシステムと、そういうところに継続的に行くことによってどういう成果が患者さんにきちんと言われるというところまでできれば非常にいいと考えています。
議長:樽見先生、お願いします。
樽見:自分のときにどうしていたかと思いながら考えていたんですけど、衛生士さんには認定衛生士を取ってほしいということで、医院としては認証診療所を取りにいくから両輪で頑張りましょうみたいなことで進んでいきました。認定の衛生士のコースと、もう少し認証診療所の受け皿を何となくうまくリンクさせてもらったらいいと思いました。
あるいは、そういう方向でいくとこんな感じで医院がうまくいきますとか、衛生士が育っていって治療を含めて医院のつくり方が良くなりましたとか、そういったものを例えばヘルスケアのホームページに上げていくとか、あるいはそこの成功事例を見たらうちもやってみようという医院が少し増えるのではないかと思いましたので、一言意見を言わせていただきました。
田中:ありがとうございました。樽見先生も事前に私信でいろいろな意見をいただきまして、ありがとうございました。認定歯科衛生士があって認証診療所があって、それをもう少しうまくリンクさせたほうがいいというご意見でした。それから、そのうまくいった事例とかをホームページ上とかでも、そういうストーリーを人が見ていいなと思えるものがあったらいいというご意見でよろしいでしょうか。
樽見:はい。
田中:ありがとうございます。いろいろとご意見を聞けて嬉しく思います。
高橋:教えていただきたいんですけど、衛生士がなかなか付いてこないというケースは聞くんですけど、逆のケースは珍しいと思うんですけども。例えば認定衛生士は一生懸命に頑張っているんだけど、院長は会にも入らないしやらないというケースでは、もちろん院長が会員でなければ認証は取れないんですけども、例えば会員だったとして、今の現状の中で認証をクリアできない条件というのはありますか。今の問題というか、医院としての問題がどういうところなのか興味があります。
林:まず、資料を作るという意識が非常に低いです。ですので、写真の撮影は初診時と再評価時のみです。
高橋:口腔内写真を定期的に撮らないということですか。
林:衛生士は初診時と一回目の再評価時には撮りますけども、それ以外は撮れないんです。
高橋:技術はあるんだけど、ということですね。
林:そうなんです。そこを先ほど先生が言われていましたけど、認定衛生士とリンクをさせていただけたら私たちも院長にアピールがしやすくなります。
高橋:分かりました。ありがとうございます。
大井:すみません、最後にお願いします。いろんな意見が出ている中で水を差すようなことをお聞きしたいんですけども、秋元さんが先ほど言われていた、各団体にガイドラインを送付したがその反応がないと、そのことにも関連するのかもしれませんが、学会としては日本歯科医学会の認定分科会になるという話はどこまで進んでいるんでしょうか。これが第一点です。これは確かもともとヘルスケアの声を大きくするというのが一つの趣旨だったと記憶をしております。
そこを踏まえてなんですが、先ほどから認定衛生士、認証診療所が出ていますが、実際に第1議案の中にあったように、歯科衛生士の正会員数が全体数の3割ぐらいになっていますが、これは日本歯科医学会の認定医学会になるための条件としては悪条件になるということにはならないんでしょうか。私の聞きかじりなんですが、日本歯周病学会が確か引っ掛かっていたようなことをお聞きしたんですが、そこが気になります。この2項目をお聞きしたいと思います。
秋元:大井先生の2つ目のご指摘は、ご指摘のとおりです。歯科医師会員の比率というものが7割だったと思いますが、一定比率よりも下がった場合には認定分科会にはなれません。専門分科会にも、もちろんなれません。つまり日本歯科医師会というのは、歯科医師の学会であり、日本歯科医学会というのは歯科医師会の傘下にある学会であるということです。ということで、先生がおっしゃるとおりです。
1つ目の認定分科会の審査はどこまでということについては、誰が答えられるわけではないですが、前回のリジェクトは完全に学会誌等の不備ということです。ですので、現在学会誌は定期的に出始めています。その中に1年間に5編以上の原著があること、これは満たされていませんが、今臨床系の学会は、いずれも1年間に5編の原著は載っていません。なってしまったら既得権というふうなことです。
もう一つは、過去においては日本学術会議の団体会員と、それから日本歯科医学会の認定分科会、両方ともハードルは非常に低かったんです。
それについて私は学術会議に相談に行きました。あそこもここも全然いい加減なのになっているじゃないかと言いましたところ「あれが間違いだったんだ」と事務局では言っております。特に歯科は「認定医」を言うために、学術会議の名前を使ってやっているところが幾つかあります。大変問題だということが理事会に問題になったということがあります。ついては、非常に厳しく今は考えておりますと言われました。
議長:非常に分かりやすい説明で、なかなか難しいことが分かってきましたけども、そろそろこの先ほど申しましたように……
大井:第1議案と第4議案、これは相反することですよね。なかなか大変ですね。
田中:するどい視点だと思います。
議長:議論は尽きないところでございますが、きょうは採決を要するものはございません。先ほど申しましたように活発に議論を戦わせしていただきたい項目は以上でございましたので、引き続き認証診療所、今回の中心はこのへんのところであったと思いますが、メーリングリスト上でもまたご発言をいただければありがたいと思います。
田中:来年のヘルスケアミーティングについては、25日までにメーリングリスト上でまた意見をいただければ検討をします。25日以降は大体大まかなことが決まりますので、その前にできるだけお願いいたします。
議長:それでは、これを持ちましてオピニオンメンバー会議を終了とさせていただきます。皆さまのご協力でつつがなく終了することができました。ありがとうございました。