地域住民の健康を守り育てるためには,歯科医師や医師ばかりでなく,多様な保健・医療専門職や教育・福祉介護関係者の連携協力が不可欠です.そのなかで,かかりつけの歯科診療所は,地域住民の健康を家族単位で生涯にわたって守る役割をもっていますが,それを支えるのは,歯科医師はじめ歯科衛生士,歯科助手,受付,歯科技工士などのチームです.とりわけ,長い年月にわたって通院者に深くかかわり寄り添う歯科衛生士の存在は重要です.
しかしながら,古い考え方では,歯科衛生士を歯科医師の手伝いのように考え,いまも歯科衛生士自身が自分で考え,患者にかかわることを軽視する風潮が一部に残っています.また,法律を誤って解釈して歯周病患者の歯周組織検査や歯周初期治療,メインテナンスケア等を歯科衛生士が実施することについて,法的根拠がないと主張する歯科医師もいます.
地域住民が,痛みの除去や歯の修復だけではなく,健康と若々しく快適な生活を維持し,そして障害があっても楽しく暮らすためには,「由らしむべし知らしむべからず」の歯科医師中心の修復治療に偏った医療ではなく,むしろ患者さん自身の健康意識と行動を変えることが最優先です.このようなヘルスケアを重視した診療では,チーム医療にかかわる職種の自立心や責任感,そして専門家としての知識と経験,職能としてのプライドと自覚が求められます.わたしたちは,このような時代の要請に即して,歯科衛生士がその業務を適切,適法に実施していくことができるように,歯科衛生士の診療補助」に関するガイドラインを作成します.(「はじめに」より)
コメント Q&A
当ガイドラインについて、賛否、学会内外を問わず多くの方々のご意見をお待ちしております。
なお、厚労省歯科保健課は、令和6年12月の「歯科衛生士の業務のあり方に関する検討会」の資料というかたちで、「歯科衛生士の業務(歯科診療の補助行為)について(特に、局所麻酔行為)」を公表した。これはこのガイドライン28に関して、日本歯科医師会など関係団体から疑義照会(令和6年6月)が出され、それに対する厚労省の回答に対して関係団体が必要な体制整備や教育の見直しを求めた(令和6年10月)ことに応えたものである。




